「プレリュード」復活で昭和オヤジ歓喜! 元祖デートカーはどんなクルマだったのかZ世代にもわかるように振り返ってみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショーでホンダから「プレリュード コンセプト」が発表された

■初代プレリュードは1978年当時のシビック、アコードに続く車種として登場した

■5世代にわたって販売され、リッタ−100馬力を誇るスポーツモデルも設定されていた

5世代に渡るプレリュードを振り返る

 2023年秋に開催された「ジャパンモビリティショー」は、最終的な来場者数が111万2000人に達するなど盛況のうちに終了した。従来の「東京モーターショー」が自動車や二輪車に関係するメーカーのショーだったのに対し、モビリティ全般へとショー内容が拡大されたことにより、さまざまなスタートアップ企業や地方自治体も出展するなど、幅広い展示内容が世代を超えて多くの人々の心に響いたといえる。

 とはいえ、来場者にとってもっとも印象に残った展示内容といえば、近い将来に発売が期待される新型車両だろう。なかでも話題を集めたのが、ホンダブースに展示された「プレリュード コンセプト」だ。美しいクーペフォルムに、最新世代のe:HEV(ハイブリッド)の搭載が予想されているモデルだが、「近い将来に市販を予定している」というアナウンスもあって注目を集めた。

「プレリュード」の車名が令和の時代に復活! ……とはいえ、ホンダの新車ラインアップにその名称が残っていたのは2001年まで。販売終了から20年以上が経過し、実質的には前世紀のクルマである。プレリュードという車名の響きにノスタルジーを感じているのはおそらく40代以上だろうから、プレリュードってどんなクルマ? という若年層に向けて、あらためて歴代モデルを振り返ってみよう。

 プレリュードの初代モデルが登場したのは、1978年11月のこと。当時のホンダはシビック、そしてアコードが新車販売の柱となっており、プレリュードは2台に続くモデルとして開発された。ボディ形状は独立したトランクルームを持つ2ドアFFクーペで、乗車定員は4名。といっても、リヤシートは明らかに小ぶりで、スタイリングを重視した2+2クーペである。エンジンはアコードと共有する1.8リッターのCVCC SOHCで、最高出力は90馬力。その後、マイナーチェンジを重ねて性能は向上し、最終的には97馬力まで進化した。

 この初代モデルの約4年間という生産期間を経て、2代目プレリュードがデビューしたのが1982年11月のこと。2+2レイアウトのFFクーペという基本設計は変わらないが、低く構えたボンネットやリトラクタブル式ヘッドライトが生み出すスポーティなフォルムは、スペシャリティカーよりもストレートな「デートカー」と呼ばれ、とくに若年層を中心に人気を集めた。

 エンジンは先代からの進化版となる1.8リッター直列4気筒CVCC SOHCで、最高出力125馬力/最大トルク153Nm。フロントにダブルウイッシュボーン式サスを採用したほか、ホンダの独自開発による日本初の4輪アンチロックブレーキや、ホンダマチックと呼ばれるロックアップ機構付き4速ATといった当時の最新技術が積極的に投入されるなど、決して「雰囲気だけのスポーツカー」ではなかった。

 そして、1985年にはマイナーチェンジが行われ、2リッターDOHCを積むスポーツグレードSiも設定された。

 1987年4月に発売された3代目プレリュードは、大ヒットモデルとなった2代目の正常進化版である。ロー&ワイドを強調するボンネットデザインやリトラクタブル式ヘッドライトといったディテールは継承されている。

 プレリュードの特徴である、低く抑えたルーフ高は1295mmで変わらず。しかし、ボディは全長4460mm(2代目比+85mm)、全幅は1695mm(同+5mm)に抑えられた。なかでもボンネットは、エンジンの徹底したコンパクト化と後傾レイアウトの採用により、FFとは思えない低さを実現している。

 エンジンは1.8リッターが姿を消し、全車が2リッターのB20A型を搭載。同じ型式ながら、最高出力145馬力(ネット値)を発生するDOHCと、110馬力(同)のSOHCという2種類が存在していた。サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーン式へと進化し、以降はプレリュードの代名詞的な装備となっていく。

 そして操舵系では、世界で初めて機械式4WSシステムを搭載したこともトピックだ。通常、ステアリング操作では前輪のみが操舵されるが、この4WSシステムでは速度に応じて後輪にも舵角を与えるもの。より洗練されたハンドリングや取りまわしの良さを実現している。


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