この記事をまとめると
■ケーニグセグがCEOの父の愛馬に由来する新型ハイパーカー「サデアズ・スピア」を発表
■ボディは軽量化され改良を受けたV8ツインターボは最大1625馬力を発揮
■サーキットのタイムでジェスコ・アタックを超える記録をマークしている
ジェスコの正常進化モデル
ケーニグセグ・オートモーティブから、またもや衝撃のスペックを誇る新型ハイパーカーが誕生した。「サデアズ・スピア」と呼ばれるモデルがそれで、このネーミングはCEOとして同社を率いるクリスチャン・フォン・ケーニグセグの父であり、またスウェーデンの馬術界において長年活躍した騎手でもあったジェスコ・フォン・ケーニグセグが、そのキャリアの最後に騎乗した馬の名前に由来するものだという。
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ちなみに父としてクリスチャンのハイパーカービジネスに深く理解を示し、常にそれをサポートする立場にあったジェスコの名がクローズアップされるのは、今回が初めてのことではない。
ケーニグセグは創立25周年という記念すべき節目にあたる2019年のジュネーブショーで、それまでのアゲーラの後継となるニューモデルを発表。125台に生産台数が限定されるとともに300万ユーロという驚愕のプライスが設定された、この新型車に与えられた車名、それこそがジェスコだった。
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サデアズ・スピアは、このジェスコの正常進化型ともいえるモデルだ。最新のエアロダイナミクステクノロジーを採用することで、ジェスコからさらに高性能化されることになったボディは、ロングテールを特徴とするじつに刺激的なデザイン。大型のダブルブレード・アクティブ・リヤウイングからは、サデアズ・スピアが走行中に得るダウンフォースの大きさと、それによって実現される高いトラクション性能を容易にイメージすることができる。
ケーニグセグ・サデアズ・スピアのスタイリング画像はこちら
基本構造体となるモノコックタブはもちろんのこと、ボディパネルもまた軽量なカーボンファイバー素材で成型していることは、もちろんジェスコから変わるところはないが、ケーニグセグはこのサデアズ・スピアではさらにストイックな軽量化への取り組みを見せている。
コクピットにはやはりカーボンファイバー製となる新デザインのバケットシートが採用され、さらに防音材も可能なかぎりそれを削減。結果サデアズ・スピアは、ジェスコ比で約35kg軽い1385kgのドライウエイトを達成している。
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ミッドに搭載されるエンジンは、これもジェスコと同様に5リッターの排気量が設定されたV型8気筒DOHCツインターボだが、吸排気システムのデザインの見直しや、冷却性能の向上など、こちらもジェスコのそれから多くの改良が施されている。
注目の最高出力は、通常のハイオクガソリン使用時には1318馬力/7800rpm。より環境負荷の低いE85燃料を使用した場合には、その数字はさらに1625馬力にまで向上する。最大トルクの1500Nmは5100rpmで発揮されるが、ケーニグセグによれば、2700~6170rpmの領域で1000Nm以上のトルクが得られるという。