この記事をまとめると
■片側二車線以上の道では一般道や高速道路を問わず一番左側を走るのが基本だ
■調査すると一番左側の車線がもっとも利用率が低いという結果が出ている
■全員が正しい車線を使うようになればあおり運転や渋滞も軽減できる可能性がある
基本的には一番左側の車線を走るべし
教習所でも習ったとおり、片側二車線以上の道では、一般道、高速道路を問わず、一番左側の車線を走るのが基本。右側の車線を追い越し目的以外で走り続けると「車両通行帯違反」となり、取り締まりの対象になる可能性がある。
にもかかわらず、走っているクルマの台数は、一番左側の車線より、中央車線側のほうが明らかに多い。
NEXCOなどによると、(渋滞発生前の)追い越し車線の利用率は、片側2車線の場合で約60%、片側3車線だと39~42%(第1走行車線:23~26%,第2走行車線:34~35%)で、もっとも利用率が低いのは一番左側の車線。いずれも追い越し車線がほかの車線より利用率は高い。この傾向は、一般道でもほぼ同じと考えていいだろう。
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ではなぜ「キープレフト(左側車線走行)」が原則で、道路交通法(同法第20条)でも定められているのに、人々は左側車線を避けるのか?
一般道の場合、左側車線には駐停車している車両があったり、わき道からクルマや人が飛び出してくる心配があったり、路肩を走る自転車やバイクに気を使うといった声が多い。また、近いうちに右折をする予定があるが、車線変更が苦手なので、ずっと右車線を走っている……という人も少なからずいるようだ。
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一方、高速道路では左車線にトラックなど大型車両が多いので、視界が悪いと中央車線側を走り続ける人がいる。しかし、中央車線側を走っても、そのペースが速く、トラックなどを追い抜いていくのなら問題は少ないが、中央車線側にもかかわらず、トラックなどと大差ないスピードで走り続けて、後続車を詰まらせている人もいるので、こうなると大迷惑。
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なので、左側車線より中央車線側を走る車両が多いと、渋滞が発生しやすいし、ペースが悪ければあおり運転の遠因にもなる。
多くのドライバーがキープレフトの原則に従って、前走車を追い越すとき以外は左側車線を走り、左側車線をもっと有効に使えば、渋滞も減って、燃費もよくなり、ドライバーのストレスも軽減し、マナー向上も見込める。さらに、あおり運転などのトラブルも減少することになるだろう。
実際、NEXCOでも「渋滞は追い越し車線から発生します」「走行車線の利用が渋滞予防につながります」とホームページやポスターなどでアピールしていて、走行車線の利用促進による渋滞対策を呼びかけている。
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そのためには、漫然と走らず、視線をより遠くに、そして視野をより広く保つようにして、追い抜きをかけるとき以外、左車線が空いていたら左に移ることを習慣化してほしい。
車線変更が苦手だという人は、バックミラーの調整法と使い方を見直し、車両感覚を磨き直すことも必要。
左車線を安全に、そしてスムースに走れるようになってこそ、ドライバーとして一人前だ。
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再度、キープレフトの原則を思い出して、左側車線と中央車線側の利用率が現状の4:6から、6:4ぐらいになることを目指して、ひとりひとりが自分の運転を振り返り、限りある道路をより有効に使えるよう、小さな努力を惜しまないようにしよう。