ゴードン・マレーが新たな組織を誕生させた! 早速発表された「S1 LM」と「ル・マンGTR」ってどんなクルマ? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■F1マシンやスーパーカーの開発で天才と称されるエンジニア「ゴードン・マレー」

■彼はエンジニアとして活動する一方で2017年に設立したGMA社を率いている

■自社の特別な開発部門のGMSVから「S1 LM」と「ル・マンGTR」を発表した

天才と称されるゴードン・マレーが新たなマシンを誕生させた

 ブラバム、そしてマクラーレンでF1マシンの開発に携わり、その後はマクラーレンのグループ会社であるマクラーレン・カーズに移籍した「ゴードン・マレー」。

 彼がマクラーレン・カーズ時代に残した作品といえば、やはり1993年に発表され、現在でも究極のスーパースポーツと評される「F1」や、メルセデス・ベンツ、メルセデスAMGとの共同開発による「SLRマクラーレン」といったモデルの名前がすぐに思い浮かぶのではないだろうか。

 現在、マレーはエンジニアとしての活動を続ける一方で、2017年に設立した「ゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)」社を率いる立場にあるが、先日このGMAに、「ゴードン・マレー・スペシャル・ビークルズ(GMSV)」と呼ばれる新たな組織が誕生することになった。

 マクラーレン・オートモーティブの社内部門である、「マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)」がいい例で、それと同様に、より個性的でプレミアム性の高いモデルを求めるカスタマーのために、さまざまなオプション装備にはじまり、特別仕様車や限定生産車、さらにはワンオフモデルの開発と製作までをも担う部門である。

 そのGMSVから先日、2台のニューモデルが発表された。「S1 LM」と「ル・マンGTR」と呼ばれるこれらの新作は、いずれも1995年にあのル・マン24時間レースを制した「マクラーレンF1 GTR」をオマージュしたモデルだ。

 まずは「スペシャル・ワン」を意味する「S1」の名が掲げられたモデルから、その概要を紹介しよう。ちなみにGMSVによれば、この「S1 LM」の生産台数はわずかに5台。現在の段階で価格は公表されていないが、2026年中にはカスタマーへのデリバリーが開始される予定となっている。

 S1 LMとマクラーレンF1 GTRとの関連性は、そのエクステリアデザインからすぐ理解できるだろう。基本的なボディシルエットはF1 GTRに共通するが、エアロダイナミクスの向上を目的に、ルーフはローダウンされ、同時に専用のエアロパッケージの導入で、より魅力的で高性能なスタイリングを実現しているのが特長だ。ボディパネルは、もちろんモノコックと同様に軽量なカーボンファイバー製。こちらも最新の技術で生み出されている。

 ミッドに搭載されるエンジンは、最高出力で700馬力以上を発揮するという4.3リッターのV型12気筒。驚くべきはその最高回転数で、GMSVはじつに1万2100rpmという数字の実現に成功した。組み合わせられるミッションはGMAの「T.50」が採用する6速MTの改良版で、駆動方式はもちろんRWD。サスペンションもこのS1 LMのために専用設計され、よりシャープで旋回性能の高い走りをドライバーは楽しめるという。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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