この記事をまとめると
■スマートICは無人のETC専用料金所で全国に163カ所が開通している
■ノンストップ通過ができないのは通信機器が簡易で検知器が1台しかないため
■地域主導で低コスト導入を実現し利便性を広げている
コスト削減のためにセンサーが削減されている
直近では、松山自動車道の東温(2024年3月23)や、中央自動車道の諏訪湖(7月27日)、同じく中央自動車道の神坂(2025年9月13日)に新しく開通したスマートインターチェンジ。
2025年10月現在、全国で163カ所のスマートインターチェンジが開通済みだ。スマートインターチェンジは、高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設置された簡易な無人の料金所で、既存の高速自動車国道の有効活用や、地域生活の充実、地域経済の活性化を推進するために導入が進められている施設として知られている。
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このスマートインターチェンジは、ETC専用のインターチェンジにもかかわらず、通過する際は、開閉バーの手前で一旦停止することが義務付けられている。一般的なETCゲートならノンストップで通過できるのに、なぜスマートインターチェンジではノンストップでの通行ができないのか?
その理由は、データ送受信用機器の性能に差があるためだ。一般的なETCゲートでは4台の車両検知器で車両の位置を確認しているのでノンストップ(徐行通過)に対応できるようになっているが、スマートインターチェンジでは車両探知機が1台しかない。そのため、一旦停止したあとに通信のやり取りが行われ、開閉バーが開くシステムとなったわけだ。
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スマートインターチェンジは、システムを簡略化することで建設・管理コストの削減を可能としていて、ローコストで導入できるところに最大の特徴があるので、そこが最優先。導入、整備もNEXCOではなく、地域が主体(地元で立ち上げた協議会が国にリクエストするかたち)なので、設備費は最小限にならざるを得ない。
そのため、ETC車載器の搭載車限定というだけでなく、通行可能な車種(例:全長12メートル以下など)や、時間が限定(例:6~22時など)されている場合があるなど、いろいろな制約があるのが、通常のETCゲートとスマートインターチェンジの大きな違いとなっている……。
とはいえ、インターチェンジの数が増えて、インターとインターの間の距離が短くなれば、利用者にとってもその地域にとっても、そのメリットは計り知れない。時間とコストが反比例するのは世の常なので、スマートインターチェンジでの一時停止には目をつむり、メリットを享受することで納得しましょう。