こんなカッコイイなら日本でもほしい! 北米で登場した新型セントラのデザインをプロが分析!!

この記事をまとめると

■米国日産は2025年9月24日に2026年型となる新型の「日産セントラ」を発表した

■今回の新型では「大胆」「活気」「共鳴」をデザインのキーワードとしている

■大胆でエネルギッシュな造形は北米市場を意識したデザインの幅の広さを示したといえる

シャープでダイナミックなデザインの新型セントラがデビュー

 2025年9月24日、米国で発表された2026年型日産セントラが「超スタイリッシュ!」「日本でも売ってほしい!」と話題になっています。たしかに写真を見ると伸びやかなスタイルが印象的ですが、では具体的にエクステリアの見どころはどこにあるのか? さっそくチェックしてみたいと思います。

●シャープなボディを強調する大胆な顔

 かつてサニーの米国版だったセントラもいまやすっかり大きく成長し、先代でも全長4640mm、全幅1820mmと堂々としたサイズに。今回の新型では「大胆」「活気」「共鳴」をキーワードとしており、「シャープな面とバランスのとれたキャラクターライン、進化したVモーション」をデザイン上の特徴と謳っています。

 それを踏まえて全体を見ると、たしかにシャープな面というのはそのとおりで、これは多用された鋭角なラインの効果も大きいと思えます。日産が掲げる「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」は基本的に繊細でシャープな面や線が使われていますが、そのなかでもより先鋭な表情といえそうです。

 フロントでは、とりわけSRグレードに見られる、ヘッドライト両端からロアバンパー部までザックリ切り込まれた巨大グリルが何とも大胆。この真っ黒なグリルのため「頭」がずいぶん大きく重く見えてしまいますが、そこはギリギリのところでバランスをとっているようです。

 一方で、SR以外のグリルは左右がボディ色の編み目状になっていて、いわゆるデジタルVモーションのバリエーションなのかと思わせます。これもまたシャープさを増す表現ですが、個人的にはどこか「改造感」「後付け感」があって少々浮いているかな? と感じます。

●キャラクターラインに見る攻めたデザイン

 側面では、ブラックルーフ沿いにメッキを通すことである種の先進感を打ち出したキャビンがユニークですが、その他にふたつの着目点があります。

 まずひとつはショルダーラインで、ヘッドライト両端から始まったそれは、リヤドア途中から緩やかに下りテールランプへつながります。一方、キャビンはリヤに向けて大きく絞られるため、そこへ段差が生まれてリヤフェンダー上部に大きな張り出しができています。リヤフェンダーの張り出しの表現としてはスポーティカーに近く、セダンとしてはチョット珍しいかもしれません。

 もうひとつは、ドア面の水平なキャラクターラインです。冒頭に書いたとおり「バランスのとれたキャラクターライン」が特徴のひとつに挙がっていますが、このボディ全体を見たとき、ここにあえて線を引くか?というのは要チェックなポイントですね。

 たしかに、比較的低い位置に引かれたことで低重心な印象を与えていますが、ちょっと煩雑にも見えるのです。まあ、それほどクッキリとした線ではありませんが、なぜ大きな凸面だけにしなかったのか? ここは微妙な表現なので、実車であらためて確認したい部分ですね。

 さて、先日新型ルークスのデザイナー氏に取材した際「ひとつのデザインフィロソフィは掲げていても、デザインの幅は車種ごとに広く考える」と語っていました。その点、新型セントラの大胆でエネルギッシュな造形は、とりわけ北米市場を意識した「幅」を示したといえるのかもしれません。


この記事の画像ギャラリー

すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

新着情報