「山が光って前が見えない!!」と思ったらメガソーラー! 運転に危険を及ぼす「光害」ってアリなの?

この記事をまとめると

■メガソーラーの反射光が交通安全に影響するケースが問題となっている

■国交省は反射防止措置や設置角度の工夫を求める技術指針を提示している

■道路交通法では交通の妨害を禁じており設置方法の改善は急務だ

メガソーラーの反射が眩しいという事例が発生している

 山を切り開いて設置されるメガソーラーの反射によって交通事故が発生する危険性があることが問題になっています。このソーラーパネルの反射による道路への影響は交通安全上問題ないのでしょうか。今回は、その危険性や設置規定、道路でしてはならないことなどを解説します。

 このソーラーパネルの反射が道路に直撃していることに対し、業者や行政は対応を行わないまま運用を開始。地域住民や道路利用者は不安の声を上げています。

 このメガソーラーの反射による被害(光害:ひかりがい)が法律違反になることはないのでしょうか。また、ソーラーパネルを設置する際の規定のなかに、道路交通への影響に関する規定は存在するのでしょうか。

 2023年(令和5年)3月に国土交通省道路局が公開した「道路における太陽光発電設備の設置に関する技術面の考え方」によると、留意事項として以下のようなことが明記されています。

太陽光発電設備の設置により道路利用者の視界を妨げたり、太陽光発電設備が太陽光等を反射して車両の運転を妨げたりすることにより道路交通に支障を及ぼす恐れのないこと。反射光による運転の阻害が予想される場合は、防眩措置が施された太陽電池パネルを採用するなどの対策や、季節ごとの太陽高度や向き等を考慮した太陽電池パネルの設置向きとするなどの工夫を行うこと

 つまり、ソーラーパネルの設置によって道路利用者の視界を妨げたり、運転に支障を及ぼしたりすることがないようにしなければならないということです。

 そのほかにも、道路利用者の迷惑にならないようソーラーパネルを設置しなければならないと書かれていることからも、メガソーラーを設置する際は、道路を通行する車両や歩行者などに影響がないようにしなければならないといえます。

 前述したソーラーパネルの設置に関する留意事項は、あくまでも注意すべき点という内容です。では、道路交通法という側面からメガソーラーの反射について考えた場合、どのようになるのでしょうか。

 道路交通法では、道路上での以下の行為を禁止しています。

・交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない
・石、ガラスびん、金属片その他道路上の人もしくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、または発射すること
・道路において進行中の車両等から物件を投げること
・道路または交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、または著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
など

 道路交通法 第76条には、上記の内容を含む行為を道路でしてはならないと明記されています。メガソーラーは、道路に設置されるものではありませんが、道路に影響を及ぼす危険性の高い設置物といえるでしょう。そのため、いち早く設置方法を改善する必要があるといえるのではないでしょうか。

 メガソーラーの反射によって視界が妨げられたための交通事故が発生する前に、ソーラーパネルの角度の変更や道路に影響がない方法への改善をしてもらいたいと切に願うばかりです。


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齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

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