この記事をまとめると
■マツダはJMS2025でロータリーエンジン搭載を想定した「ビジョン・クロスクーペ」を公開した
■これまでもマツダは数多くのロータリーエンジン搭載のコンセプトカーを披露している
■ロータリーエンジン搭載のコンセプトカーはいずれも市販化に至っていない
流麗なコンセプトカーを連発してきたマツダ
10月末から開催されたジャパンモビリティショー2025には100万人を超える来場者が訪れて、なかなかの盛況ぶりだった。そんななか、マツダブースのステージには、世界初公開となる「ビジョン・クロスクーペ」の姿があった。
マツダ・ビジョンクロスクーペのフロントスタイリング画像はこちら
全長5mを超える大柄で伸びやかなクーペスタイルのボディに、微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料で510馬力を発生する2ローターターボ+モーターを搭載したPHEVで、一充電でモーターだけで160km、エンジンもあわせると800kmの距離を走れるとしている。
さらに、走行過程で排出されるCO2を回収する装置を搭載しているのもポイントだ。マツダとしてはこれを新たなフラッグシップモデルの提案と位置づけている。
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ところで、そういえば2023年に公開されて大反響を呼んだ「アイコニックSP」はどうなったのか?
あちらも「2ローター・ロータリーEVシステム」を搭載したPHEVで、上記の「ビジョン・クロスクーペ」がコンセプトカー然としていたのに対し、「アイコニックSP」は、サイズ的にもずっと小柄で、ガルウイングドアを除けばデザイン的には近い形で市販されてもおかしくない雰囲気をもっていたことから、次期ロードスターか、はたまた次期RX-7かなどとウワサが飛び交ったものだ。薄目のリトラクタブルヘッドライトライトも妙に現実味があった。
マツダ・アイコニック SPのフロントスタイリング画像はこちら
実際、毛籠社長からもロータリーエンジン開発グループを立ち上げたことが明かされたり、当時のマツダが申請していた特許では、ロータリーエンジンを発電だけでなく直接タイヤを駆動するためにも使うという内容のものも見受けられた。それだけでなく、アイコニックSPの意匠を日本や欧州、米国で多数出願・登録しており、市販化に向けた準備を着実に進めていた。
おそらく当時、市販化に向けた具体的な動きが進められていたに違いない。ところが、2025年のモビリティショーで、その後どうなったかを示す展示は残念ながらなかった。
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じつはショー会場でアイコニックSPの開発責任者であった中山 雅氏に会って話をうかがうことができたのだが、同氏もすでにマツダを離れており、プロジェクトは完全にストップしているらしい。できることなら、残っている関係者にぜひ開発を進めてものにしてほしいという旨を語っていた。