駐車中なのにクルマが傷むってマジか! 「ハンドルを切ったまま」「斜めの場所」「輪留めに当てたまま」クルマの寿命を縮める駐車習慣

この記事をまとめると

■駐車しているだけでも場合によってはクルマにダメージが蓄積されることがある

■ハンドルを切ったままでの駐車や輪留めへ押し付けたままの停車は負担がかかる

■傾斜や段差への駐車も負荷が偏る原因となり置き方が肝心だ

愛車を守るために「駐車」でできること

 クルマは走るための道具なので、走り続けていれば調子がいいし、長期間停めっぱなしにしておくと傷みやすい。だからクルマを大事にしようと思ったら、停め方に気を遣うことが大切だ。

 たとえばハンドルを切りっぱなしにして停めないこと。ハンドルを切りっぱなしにして停めておくと、タイヤの接地面が変形しやすくなるし、ブッシュやブーツ類の変形、摩耗、劣化が早まる。サスアームやボディにも余計なストレスがかかるし、いいことはない。

 おまけに、駐車するときや発進するときにいわゆる据え切りを行うと、パワステモーターやその電気の配線、あるいはパワステポンプや油圧系統に大きな負担をかけることになる。もちろん、毎日据え切りで駐車を繰り返しても、ちょっとやそっとで壊れるほどいまのクルマはヤワにはできていないが、塵も積もればなんとやら。ハンドルを切りっぱなしにした駐車や据え切りは、できるだけ回避したほうが賢明だ。

 続いて、輪留めに当てっぱなしで停めるのも避けたいところ。駐車スペースに停めるときに、タイヤが輪留めにコツンと当たるぐらいは神経質になる必要はないが、タイヤが輪留めに当たった状態=押し付けられた状態のまま駐車して、そのままクルマから離れるのは感心できない。タイヤやサスに本来かからない方向から力が入り続けるので、短期的な影響は小さいにしても、歓迎できるシチュエーションではないはずだ。

 駐車する際、輪留めにコツンと当たったら、ギヤをニュートラルにしてフットブレーキを離し、タイヤが輪留めから離れたタイミングを見計らってサイドブレーキをかけるようにしよう。

 また、傾斜のあるところや段差のあるところの駐車も好ましくない。傾斜があるところだと谷側のタイヤに負荷が集中するし、オイルやフルードの液面もかなり傾くことになる。段差があるところでは、車体がねじれ、ドアの開け閉めの際、少なからずボディがゆがむ。

 人間だってキャンプなどに出かけ、平らでないところ寝ようとすると、なかなかぐっすりは眠れないはず。寝返りの回数も増えることになるので、クルマも斜傾地や段差があるところに止めざるを得ないときは、ときどきクルマの向きや位置を変えてあげるといいだろう。

 最後はパーキングブレーキとPレンジの使い方。AT車でクルマを停めるときは、完全停止をしたあと、ブレーキを踏んだままサイドブレーキをかけ、それからシフトレバーをPに入れる。Pレンジに入れたあとでパーキングブレーキをかけると、一瞬AT内の爪状の小さな部品=パーキングロックボールでクルマの重みを支えることになるので安全ではないし、パーキングロックポールの爪もそれほど大きな負荷に耐える設計にはなっていないので、Pレンジに頼らない駐車をするのが基本。

 また、完全に停止していない状態でD→R、R→D、R→P、D→Pとシフトレバーを動かすのも、ATの寿命を縮めることになるので用心したい。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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