中東の富豪の「砂漠でジャンプ」を前提に設計されたコンセプトカー! ヒョンデ「Xスコルピオ」のぶっとび具合がヤバすぎる

この記事をまとめると

■ ジェネシスが発表したXスコルピオはクーペ×オフロードという異色の発想が核となる

■ 中東の高速オフロード文化を背景にジャンプ前提の車体構成とした点が特徴

■ 1100馬力V8や徹底した軽量化で荒唐無稽さの裏に現実的思想も見える

中東のライフスタイルに特化したエクストリームマシン

 矢継ぎ早に独創的なコンセプトカーをリリースしているヒョンデの高級車ブランド・ジェネシスから、また新たな興味深いモデル「X スコルピオ コンセプト」が発表された。

 一目で強烈な印象を脳裏に残すそのスタイリングは、乱暴にいえばクーペスタイルのスポーツカーをリフトアップしたというもの。そういったコンセプトのクルマは存在しなかったわけではなく、ポルシェ911ダカールやランボルギーニ・ウラカン ステラートといったモデルについては市販化もされているのだが、40インチという超が付く大径のオフロードタイヤが奏功して、これまでにないインパクトをもたらしている。

 なお、車名の「スコルピオ(サソリ)」は、デザインのインスピレーション源でもあり、全体のフォルムから細部に至るまで、サソリをモチーフとした造形が採用されているという。

 このある種荒唐無稽ともいえるコンセプトのクルマが生み出された背景には、中東という特殊な市場の存在がある。中東ではオフロードレースやレクリエーショナルドライビング、とくに高速走行とジャンプを伴う走行が人気の娯楽となっており、このX スコルピオもそうした「砂漠を全開で駆け抜ける」という需要に応えるべく作り出されたのだ。

 過激なスタイリングの内側に潜むメカニズムからしてもその目的は明らかだ。サスペンションは精密にチューニングされ、大きな最低地上高を確保。短いホイールベースと巨大なアプローチアングル・デパーチャーアングルにより、ジャンプと着地を前提とした設計となっている。着地時の衝撃に対応するため、高いフェンダーアーチ、スキッドプレートが備わり、精密に設計された機構部品が車両のスタックを防ぐ。ブレーキにはブレンボのモータースポーツ仕様が採用された。

 車重は公表されていないが、カーボンファイバー、ケブラー、グラスファイバーを構造材として使用していることから、武骨なビジュアルから想像するよりは軽量であることが予想される。軽量化のための方策が見られる一方で、チューブラーフレームとフルロールケージを備え、4点式ハーネスと各所の補強材により、高速走行とジャンプに耐える剛性も確保された。

 そして空力設計までも徹底され、地上走行時と「上昇時」の両方で安定性を保つよう最適化されている。ジェネシス自身がそのような表現を用いていることからも、この車両がジャンプを前提に開発されたことがわかるだろう。パワートレインは詳らかにされていないが、最大出力1100馬力、最大トルク1152Nmを発生するV8エンジンであることはアナウンスされている。

 インテリアを見ても世界観は一貫したものだ。オフロードでの激しい走行は身体への負担が大きいため、専用のバケットシートを装備。さらにクライメートコントロール、セーフティグラブハンドル、通信機器の数々、そしてカスタマイズ可能な専用ディスプレイといったギアが本格的なオフロード走行に備える。

 過激なコンセプトカーだが、潜在的な需要が存在している可能性は意外なほどジェネシスの将来的な製品ラインアップの方向性を示唆しているのかもしれない。


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