そんな「M」は、単なるスポーツモデルの名称にとどまらず、BMWのスポーツマインドそのものを象徴するキーワードとしても活用されてきた。その代表例が「BMW M ドライビング・エクスペリエンス」である。BMW Mモデルを用い、サーキットなどで高度なドライビングテクニックを学ぶこのプログラムは、日本でも富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなどでも開催された実績があり、記憶に残っている人も多いだろう。
BMWはこの「BMW M ドライビング・エクスペリエンス」の呼称を、新たに「エリアM」として展開していくことを発表した。これは単なる呼称変更ではない。ドライビングスクールの枠を超え、「M」の世界観そのものを体感できる総合パフォーマンス体験ブランドへ進化させるというのが、BMWの狙いだ。
さらにBMWは、ここでの体験を単なる走行プログラムにとどめない。プログラムそのものを「Games of Drift」としてゲーム化するのだ。メミンゲン限定で専用チューニングを施したM2を使用し、ドリフトの正確性や持続力、テクニックを競うプログラムを行う。参加者のスコアはリアルタイムでWeb上にランキングされ、上位者には2026年10月17日に行われる決勝大会への出場資格が与えられる。
当初「エリアM」という言葉を耳にしたとき、よりハードコアなドライビングプログラムへと進化するのかと想像した。実際、これまでの「BMW M ドライビング・エクスペリエンス」は、BMW Mを購入した人に向けた、走りを楽しんでもらうための場所であった。しかし「エリアM」は、そのまったく逆のアプローチを特徴とする。プログラムをエンターテインメント化し、間口を広げることで、「M」というブランドをより多くの人に体験してもらい、ファンを増やす場とすることを目指しているのだ。