この記事をまとめると
■2011年にデビューしたN-BOXはずっと売れ続けている
■「新型は苦戦している」といわれるが2位のスズキ・スペーシアを販売台数で圧倒している
■N-BOXが売れ続けている大きな要因はブランド力の高さだ
N-BOXがずっと1位な背景にはなにがある?
2011年に初代が発売されたホンダの軽スーパーハイトワゴンのN-BOXは、以来、ダイハツ・タントなどのライバルがいるなかで、軽自動車No.1どころか、登録車を含めても、とんでもない人気、売れ行きとなったホンダのドル箱車種である。
2017年には2代目が登場し、その完成度の高さ、クラス最大級の室内空間の広さに加え、年々改良された先進運転支援機能や走り、とくに乗り心地の改善、魅力的な特別仕様車の追加などから、その人気は不動のものとなったのだ。
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その3代目は2023年に発売され(ホンダはプラットフォームを2世代続けて採用するのが基本)、標準車、カスタムに続く第三のN-BOXとして2024年9月に、~アクティブな日常を気楽に楽しめる、道具感を際立たせた新しいN-BOX~、「誰もが気軽にリラックスした時間を満喫できるクルマ」をコンセプトとしたクロスオーバーモデルのN-BOX JOYを追加している。
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とはいえ、現行の3代目はどこから見てもN-BOXそのもの。じつは、プラットフォーム、NAとターボを揃えるエンジン、CVT、パッケージまでもが、2代目からキャリーオーバーされている。その理由は、変える必要がないほど、2代目N-BOXが完成されていたから。そもそも初代から2代目になったとき、プラットフォームなどを含め、約90%が新設計されていたというから驚きだ(70kgの軽量化も果たしている)。
これは、モデルチェンジとしては異例で、ヒット作となった初代に続く2代目は、通常、初代で新設計されたプラットフォームなど、多くを流用するのが一般的だ。つまり、2代目で大革新をしたのだから、3代目に多くの部分をキャリーオーバーしても商品性にまったく問題なし、というホンダの判断ということだ。そう、ガラリと変えるのは人気車の継承としてリスクがあり、またコスト的にも不利だからである。
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しかし、「新型は苦戦している」という一部の見方もある。たとえば、2024年5月の軽自動車販売台数では、N-BOXを追い上げるスズキ・スペーシア(1万5160台)にN-BOX(1万4582台)がついに追い抜かれ、それまでの1位の座を受け渡したのである。さらに2025年10月には、新型となったばかりのダイハツ・ムーヴ(1万6015台/前年比308.3%)、スズキ・スペーシア(1万4420台)、ダイハツ・タント(1万4244台)に次ぐ4位(1万2784台)に落ち込んでしまったのである。
いや、そのN-BOXにとって悪夢の2カ月は供給などの問題があったかも知れない。実際、2025年11月、12月には1位に復帰。それぞれ1万6198台、1万5570台と、猛追するスズキ・スペーシアの1万2904台、1万1397台を大きく引き離す勢いで1位の座についているのである。まさに、永遠に売れ続けている、国産車販売台数で最強の1台というわけだ。
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では、2011年の初代登場から、N-BOXはどうして人気が衰えず、売れ続けているのだろうか。その大きな要因が、ブランド力だろう。初代以来、軽自動車といえばN-BOX、スーパーハイト系軽自動車の代表格といえばN-BOX……という神話が生まれ、多くの人がそう思ったからだ。そして、これはホンダにとっていいことなのか悪いことなのかはともかく、ホンダの軽自動車ラインアップのなかで、ダントツの知名度、子育て世代を含むファミリーユーザーから、カスタムモデルの高級感による一家に一台のファーストカーになりうる商品力、誰もが納得できる軽スーパーハイトワゴンとしての完成度で、ホンダの軽自動車=N-BOXというブランド力が根付いているからといえる。「悪いことなのかはともかく」という意味は、軽自動車販売台数ベスト10のなかにほかのホンダ車が入っていないからである。
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具体的には、2025年1~12月の軽自動車販売台数ランキングは1位ホンダN-BOX、2位スズキ・スペーシア、3位ダイハツ・タント、4位スズキ・ハスラー、5位ダイハツ・ムーヴ、6位スズキ・ワゴンR、7位日産ルークス、8位三菱デリカミニ/eK、9位スズキ・アルト、10位ダイハツ・ミラとなっている。ホンダの軽自動車でN-BOXの次に売れているのは14位に沈むN-WGNであり、N-BOXの20万1354台に対して2万7628台、つまり13位の日産デイズの4万3939台にも大きく水を開けられており、ホンダの軽自動車はN-BOX一強という状態が続いているのである。
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ここで、2025年5月にN-BOXを抜いて1位の座についたこともあるスペーシアが、N-BOXにはないスリムサーキュレーターやオットマンにもなる後席マルチユースフラップ、ACC(アダプティブクルーズコントロール)に付随するカーブ速度抑制機能、車線変更時補助機能(スムースな追い越しと車線変更のサポート)などの魅力的な装備を用意し、走行性能、内外装デザインでも決して負けていないにもかかわらず、依然、販売台数でN-BOXに届かないのは、2025年1~12月の軽自動車販売台数ランキングを見れば一目瞭然だろう。
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つまり、ホンダの軽自動車がすでに説明したようにN-BOX一強であるのに対し、スズキは軽自動車販売台数ランキングにおいて、ハスラー、ワゴンRといった車種がランクインし、スペーシアだけが売れているわけではなく、人気車種が分散しているのだ。