この記事をまとめると
■フォルクスワーゲンのGTIが誕生から50周年を迎えた
■GTIの特徴のひとつである赤いアクセントラインを与えられた商用バンが登場した
■トランスポーター・スポーツラインとはどのようなモデルなのか
VWの赤いラインはスポーツモデルの証!?
フォルクスワーゲン・ゴルフGTIが2026年で誕生50周年を迎えたという。あらゆるホットハッチの元祖でもあるこのクルマは、専用チューニングのパワートレインや強化サスなどを特徴とし、GTIであることをエクステリアの要所に配された赤いアクセントラインがアピールする。
そんな赤いアクセントラインが与えられたトランスポーターがあるのをご存じだろうか。トランスポーターといえば、いわゆるワーゲンバスを起源とするモデルで、バリバリの商用車だ。そんな商用車にGTIの赤いアクセントラインがあるというのはどういうことだろうか。どんな立ち位置なのかを考えてみた。
フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツラインのフロントスタイリング画像はこちら
さて、赤いアクセントラインのあるトランスポーターとは、フォルクスワーゲンのイギリス法人であるフォルクスワーゲンUKが同車に設定した新グレードの「スポーツライン」。で、トランスポーター・スポーツラインがどんなモデルかというと、基本的にはバンとしての積載性や実用性を維持したまま、専用エアロパーツや大径アルミホイール、ローダウンされたサスペンション、ブラックアウトされたエクステリア、専用インテリアトリムなどが与えられているのが特徴で、スポーティ要素を強化したモデルとなっている。
ちなみにGTIの場合は、専用チューニングのパワートレイン、強化サスペンション、大径ホイール&スポーツブレーキ、チェック柄シートなどを特徴としている。
これらを並べて比べてみると、トランスポーター・スポーツラインは、決してGTIではなく、GTIのイメージを利用したスポーティなモデルということができそうだ。ではなぜ、商用車であるはずのトランスポーターにスポーツイメージを付加したのか。
フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツラインのホイール画像はこちら
日常で使えることを前提にしながら、そこへ特別感を加えるという構造は同じ。トランスポーター・スポーツラインは、GTIほど尖ったパフォーマンスをもつわけではない。しかし、「バンでもカッコよくありたい」「仕事車にも個性を」というニーズに対して、フォルクスワーゲンが用意した回答といえそうだ。
そして、GTIとトランスポーター・スポーツラインが決定的に違うのは、ブランド内での役割だ。GTIはフォルクスワーゲンのスポーツイメージを牽引する象徴的存在である一方で、トランスポーター・スポーツラインは、商用車の多様性を活かしつつ乗用車としても十分に通用する乗りものであることをアピールし、その価値を高めるための派生グレードという位置づけと捉えることができる。
近年、欧州ではバンのパーソナルユース化が進んでいるという。キャンピング仕様やカスタム志向も強いそうだ。その流れのなかで、トランスポーター・スポーツラインは、「商用車=地味なはたらくクルマ」というイメージを覆し、ただの道具では終わらせないための、大きな可能性があることを示唆したモデルといえそうだ。
フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツラインのリヤスタイリング画像はこちら
GTIがホットハッチ文化を築いたように、トランスポーター・スポーツラインは、スポーティバンという新たなカテゴリーを作り出す存在になるかもしれない。そしてそのトレンドが日本にも波及すれば、ヒットも十分に狙えそうな気がする。そう考えると、トランスポーター・スポーツラインは、どうしてなかなかアリなんじゃないかとも思える。