この記事をまとめると
■道路の車線の幅は3.25mから3.7m程度の幅で設計されている
■カーブに関しては滑らかに走れるようにクロソイド曲線を用いて設計している
■一部のカーブには遠心力を緩和する目的で最大で10%までのカントがつけられている
道路は計算し尽くされた上で設計されている
高速道路は言葉どおり、高い速度でクルマなどが走る道であるため、余分な運転操作を省き、運転しやすい道路づくりが求められる。重要な要素としては、ひとつは車線の幅で、もうひとつはカーブの曲がり方が挙げられる。
まず車線の幅は、基本的に3.5mである。ただし、場所によって多少の差があり、3.25mの箇所もあるという。また、複数車線の道路では、3車線区間の第2走行車線(一般に真ん中の車線)や、2車線区間では追い越し車線側の幅を、3.75mに拡幅している場合がある。それらの車線は、ほかに比べ車速が高くなる可能性があり、余裕をもたせているのだろう。
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次に、カーブについては、クロソイド曲線という手法で設計されている。これは、曲率を一定の割合で変化させていく曲線をいい、クルマの運転でいえば、カーブを曲がる際に、ハンドル操作をある一定の割合で切り増していくと、滑らかに、安定して走って行ける曲率の変化をいう。
直線からカーブへ差し掛かったとき、急に大きく曲がるような曲率だと、ハンドル操作が大きくなって、切り遅れたり、切り込みすぎたりして、安全な走りを損なう懸念がある。まして高速道路では、たとえば時速100kmで走っていると、1秒間で27.7m先へ行ってしまう。0.1秒という瞬間でも2.77m走ってしまうので、ここでハンドルを操作し遅れたら、車線幅に余裕があっても、瞬時に外へはみ出してしまうかもしれない。
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そこで、わずかなハンドル操作のはじめから徐々に切り込み量を増やしていくことで、車線をはみ出さずに済む曲率とすることが、高速道路での安全につながる。いわゆる急ハンドルを予防しながら、高い速度に合わせて少しずつハンドルを切り込んでいくと、ちょうど車線に収まって安定して曲がって行ける。そのような曲率の変化を、クロソイド曲線という。
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ちなみに、クロソイド曲線が最初に高速道路に採用されたのは、ドイツのアウトバーンといわれている。そして日本では、1952年(昭和27年)に国道17号線の三国峠に用いられ、事故が減ったとのことだ。以後、ほとんどの高速道路で世界的に採用されている。同時にまた、カーブには外側が内側に比べやや高くなるような傾斜が付けられている。これをカントと呼ぶ。こうした傾斜があることで遠心力を緩和し、直線を走っているのに近い安定的な走りをもたらしてくれる。カントの傾斜角度は、最大で10%とされている。ただし降雪地域では6~8%とのことだ。
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これら設計基準は、安全を見込んだ余裕をみて建設されることになる。
とはいえ、速度の出し過ぎや、タイヤの摩耗、天候の悪化など、条件次第では、いつも安心・安全というわけにはいかない。降雨時に溝の減ったタイヤで走っていれば、あらかじめ設定されたゆとりが減り、事故への危険度が高まることになる。同じことが、速度の出し過ぎや、降雪の可能性があるときのノーマルタイヤでの走行などにも通じる。始めのうちは緊張感をもって運転していた高速道路も、慣れるにしたがって一般道と変わりない感覚で無意識に走ってしまう可能性がある。
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しかし先にも紹介したように、高速道路を時速100kmで走れば、1秒間で27.7mも先へ進んでしまう。カーブを曲がり切れず、速すぎたと思って減速しようとしても、ペダル踏み替え時間は一般に0.5秒といわれているので、時速100kmであれば13.8mはそのまま走っていくわけで、手遅れとなる懸念は残る。
その点、電気自動車(EV)は、アクセルペダルから足を離せば回生が働き、減速できる可能性が高い。危険を察知し、足を動かしはじめるまでの時間は、0.25秒といわれる。それでもクルマは先へ進み続けているわけだが、より早めに減速できることになる。EVは安全走行にも適していることを知ることができるだろう。