王者アルファードに挑んでは消えていくライバルたち! バンコクで存在感を拡大中のシャオペンX9はどこまで食い込めるのか?

この記事をまとめると

■タイ・バンコクでは新車は減少傾向だがそのなかでサメ顔カムリが増殖している

■アルファードキラーとして中国EVミニバンの「シャオペンX9」が存在感を拡大している

■ライバルの多いアルファードであるがその牙城は崩れず別格の地位を維持している

タイ・バンコクの定点観測で見えてきたこと

 筆者は海外で開催される自動車ショーの会場取材を終わると、バンコク(タイの首都)やジャカルタ(インドネシアの首都)などでポイントを決め、毎回そこを通るクルマの定点観測を行っている。第47回バンコク国際モーターショー(以下BIMS/2026年3月25日から4月5日の開催)の会場取材終了後、バンコク市内に自分で決めた数カ所の定点観測ポイントでさっそくそこを通るクルマのチェックを行った。

 まずは現地事情通からも聞いていたのだが、前回(2025年12月)よりも街を走る新車が減り、古いモデルが目立っている印象を受けた。タイでは納車されてもしばらくの間は正式なナンバープレートの発給までに時間がかかるので、赤字に黒文字の仮プレートを着けて走行しているので、買ったばかりの新車はすぐにわかるようになっている。その赤ナンバーを着けた新車があくまで肌感覚ながら少ないなぁという印象を受けた。

 ただし、東京23区内でたとえれば港区あたりに相当する富裕層の居住が多い地域では赤ナンバーをつけた新車はそれほど少ない印象はなかったので、バンコク市内でも状況に地域差が出ているようであった。

 2025年12月に訪れたときに現行トヨタ・カムリ(サメ顔)がすでに目立っていたのだが、その増殖ぶりがさらに拡大していた。カムリは先代、先々代モデルも街なかでよく見かけるのだが、現行のサメ顔カムリはそれらよりはるかに速いペースで増殖しているように見える。とにかくカムリのサメ顔は、タイのひとからウケがいいようである。

 バンコクの定点観測でいつも意識しているのが、アルファードキラーの行方。東南アジアでは広く富裕層の圧倒的支持を受け、街なかでもよく見かけるのがトヨタ・アルファードとなる。筆者がバンコクを頻繁に訪れるようになってから、韓国系や中国系ブランドのおもにBEV(バッテリー電気自動車)とはなるものの、高級ミニバンの何台もがアルファードに迫る勢いで売れては、結局それを超えることができない状況が続いていた。

 ここ最近のアルファードキラーとしては、中国・吉利汽車系高級BEVブランドとなるジーカー(ZEEKR)の009に注目していたのだがいまひとつ伸び悩んでいるようであり、代わって中国・新興BEVブランドとなるシャオペン(小鵬汽車)のX9というミニバンが街なかでは目立っていた。X9は廉価グレードとなるプレミアムでも価格は239.9万バーツ(約1199万円)となる。アルファードのタイでの価格が、廉価仕様で426.9万バーツ(約2134万円)であるので、価格だけ見ればガチンコライバルとはいえないものの、アルファードの牙城にギリギリ食い込んでいるともいえるだろう。

 筆者はこのX9を紹介するとき、エスティマのようなスタイルと表現しているが、その意味ではゴリゴリのラグジュアリーイメージを追求するアルファードとは一線を画す真逆のキャラクターのように見え、バンコクあたりで増えている感度の高い富裕層にウケているのかもしれない。アルファードを所有しながら、お試しでX9を購入するといったケースもあるだろう。

 タイでのアルファードの地位はまさに揺るぎないものとなっている。それを脅かす存在といえば、バンコク首都圏に限ればレクサスLMぐらいともいえるだろう。ここまで強固な地位を形成してしまうと、「アルファードを倒せ」とはいかずに、二匹目のドジョウあたりの地位を狙っているようにも筆者には映っている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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