この記事をまとめると
■2025年の世界販売でスズキが日系メーカー3位に浮上した
■中国とアメリカから撤退しながら販売台数を伸ばしている
■スズキ躍進の背景にはインド市場への選択と集中戦略がある
中国もアメリカも撤退したスズキがグローバルでは日系3位
2025年の国内新車販売は、トヨタがレクサスを除いて前年比4.3%増の141万3632万台でトップ。続く2位は、ホンダや日産ではなくスズキで72万8952台となった。次いで、ホンダ(61万9437台)、ダイハツ(53万5919台)、日産(40万3105台)と続く。
こうした順位を見れば、決め手は軽自動車であることがすぐにわかる。日本市場の約4割が軽自動車で占められていることは広く知られているところだ。そのなかで、ホンダ「N-BOX」の優位性は変わらないものの、見方を変えるとホンダは国内市場で「N-BOX」一本足打法から抜け出せておらず、登録車で数を稼げるモデルに乏しい。
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また、一連の型式不正等の問題から回復の兆しが見えてきたダイハツだが、まだ本調子ではないためスズキに流れた顧客を再び取り戻すにはもう少し時間がかかるだろう。
そんな軽自動車市場での様相を受けて「スペーシア」を筆頭に販売好調なスズキだが、インドから完成車輸入している「フロンクス」も堅調と国内での地盤固めができている印象だ。
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次に、視点をグローバルに移してみると、トヨタは4%増の903万5544台で世界トップ。続く日系メーカーは、ホンダが352万1905台、スズキが329万5013台、日産が320万2137台となり、スズキが日系3位に躍り出た。
注目すべきは、スズキが市場規模で世界1位の中国から、そして2位のアメリカからも撤退していることだ。いわずもがな、スズキの主力市場はインドである。中国では地場メーカー各社の積極的な販売攻勢によって日系メーカー各社には大きな影響が出ており、とくに日産とホンダは、過去数年に渡り打開策が見出し切れていない。日産は「N7」が好調だが、先の北京ショーで披露した新型モデルたちがどの程度の速攻力があるかは、現時点では未知数だ。また、ホンダは中国におけるEV戦略を大幅に見直すとしており、いまは中国市場での事業の立て直しに必死な状況だ。
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一方、アメリカではいわゆるトランプ関税の影響やトランプ政権による環境政策の見直しなどにより、EV市場の先行きが不透明な情勢だ。そのなかでトヨタはハイブリッド車でしっかりと稼いでいるとはいえ、アメリカでの政治の影響は今後も引き続き先読みができない。
こうしたなか、スズキは独自戦略として長年に渡るインドの中央政府、地方政府、そしてインド地場の各産業界との強い絆によるインド市場での強さが目立つ。EVについても、スズキが率先してインド全土での充電インフラ整備に乗り出すとしている。
いまいま、スズキはインドのグローバル市場における選択と集中が奏功しているといえるだろう。