「日本の車検はボーリングの球をぶつける!」トランプ大統領の理不尽発言の裏にある日米自動車貿易”圧倒的不均衡”のリアル (1/2ページ)

アメリカ第一主義関税でアメリカを強くする

 アメリカのトランプ大統領が世界に向けて「関税」を課すことを発表してから世界経済が混乱している。トランプ大統領はSNSで新しい政策や意見を発信するだけでなく、その内容が目まぐるしく変わるため、「これからどうなるのだろう?」と世界中の人は不安になり、アメリカという国に対する信頼まで揺らがせているようだ。

「関税」のことを英語では「Tariff(タリフ)」と言う。トランプ大統領は自分のことを「タリフマン=関税男」と呼び、関税を使ってアメリカを強くする! と宣言している。

 関税とは何か? 簡単に言うと輸入品にかかる税金のことだ。税金をかけるのは輸入する国で、税金を払うのは物品を輸入する企業というのが基本。最終的に販価に転嫁されるため購入者=一般市民が関税を負担することになる。

 トランプ大統領が関税でアメリカを強くすると宣言している理由は、関税によって自国の産業を守るためだ。物価(人件費)の高いアメリカが、それらの安い国から物を輸入すれば安く買えるが、アメリカの工場で作った物は売れなくなってしまう。

 輸入品に「関税」をかけることで輸入品の値段を高くできる。すると、高コストなアメリカ国内で作られた物と輸入品の値段が接近するため、アメリカの工業製品に競争力が生まれてくる。これが、関税によって国内産業を守る仕組みだ。

追加関税分を値下げしてもメーカーの売り上げは激減

 自動車に関して言うと、これまでアメリカは2.5%の関税を乗用車にかけていた。タリフマンであるトランプ大統領は、そこに25 %の追加関税を加え、合わせて27.5%の関税をかけることを発表。2025年4月3日から27.5%の関税措置が発動されたが、その後の交渉を経て、日本から輸入される自動車に対する関税は15%へと引き下げられた(※2025年9月改定)。この関税を、どう負担するのかはアメリカに輸出する外国の自動車メーカー、輸入するアメリカの企業によって判断が分かれているようだ。

 本質的には輸入する企業が関税を負担すべきだが、そうなるとアメリカでの販売価格が追加関税の分上がってしまう。単純計算で従来から25%ほど値上げすることになるのだ。2万ドルのクルマが、まったく内容を変えずに2万5000ドルになったとき、売れ行きが急落するのは容易に想像できる。

 アメリカでの販売価格を上げたくないとすればどうすればいいか? 輸出する際の価格を下げればいい。これまた単純計算すると、1.6万ドルに値下げして輸出すれば25%の関税増加分を相殺できる。当然ながら輸出する自動車メーカーの売り上げは20%ほど減ってしまうが……。

 さらに言えば、アメリカで輸入する企業のほとんどは日系自動車メーカーの現地法人だ。したがって、関税が自動車メーカーの財布を直撃するのは変わらない。自動車関税の増加が、アメリカに自動車を輸出して稼ぐというビジネスモデルについて逆風となるのは確実だ。

 また、アメリカの自動車関税は完成車だけでなく部品にもかかっている。100%アメリカ製の自動車でない限り、関税によって車両価格が上がるのは避けられない。これはフォードやGM、テスラといったアメリカの自動車企業においてもネガティブ面として問題になっている。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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