この記事をまとめると
■「ティーポ33ストラダーレ」は「世界でもっとも美しいロードカー」といわれている
■アルファロメオは「ティーポ33ストラダーレ」をベースにしたコンセプトカーを製作
■「P33ロードスター」と「33スパイダー・クネオ」は傑作デザインとして評価されている
世界イチ美しいクルマをベースにした幻の1台
レーシングカーのエンジンとシャシーを「着せ替えて」ロードカーに仕立て直す。今となってはさまざまなハードルが立ちふさがり、実現は不可能に近いものです。ですが、1960年代のカロッツェリア界隈にとってはお茶の子さいさいで、伝説的なモデルが数多く存在しました。とりわけ、アルファロメオのレーシングカー「ティーポ33」は有名な公道仕様「33ストラダーレ」を発売しただけでなく、2台の魅力的なコンセプトカーまで輩出したのです。
稀代の名車「ティーポ33」という至高のキャンバス
アルファロメオのレース部門であるアウトデルタが開発した純粋なレーサー「ティーポ33」は、アルミパイプを組み合わせたバックボーンシャシーに、超高回転型の2リッターV8ツインカムをミッドシップに搭載したという、まさに公道を走ることを想定していない戦闘機そのものでした。このメカニズムをそのままに、フランコ・スカリオーネの手によって「世界でもっとも美しいロードカー」として仕立て直されたのが、わずか18台のみが生産された「33ストラダーレ」です。
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しかし、アルファロメオの野心はとどまることなく、エンジンとシャシーをカロッツェリアたちへ提供し、「未来のスポーツカー」のビジョンを描かせたのです。その挑戦状を真っ先に受け取ったのが、ほかでもないピニンファリーナでした。
曲線から直線の過渡期に咲いた艶花「P33ロードスター」
1968年のトリノ・モーターショー、ピニンファリーナのブースでベールを脱いだ「P33ロードスター」は、当時の自動車ファンを大いに驚かせました。1960年代までのスポーツカーといえば、ベースとなった33ストラダーレがそうであるように、豊満で艶やかな「曲線美」が主流でした。しかし、時代はまさに、直線と平面で構成される「ウェッジシェイプ」の時代へと舵を切ろうとしていたのです。
ピニンファリーナに所属していた若きスタイリスト、パオロ・マルティンが描き出したP33ロードスターは、まさにその過渡期を象徴するスタイリングだったのです。
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フロントノーズは驚くほど低くフラットに削ぎ落とされ、シャープな直線基調を見せる一方で、フェンダーラインやリヤセクションには、まだ1960年代の名残である艶めかしい曲線美をキープしていました。何より見る者の目を奪ったのは、コクピット後部にそびえ立つ、巨大なロールバーでした。翼のような形状をしたこのディテールは、北米の激しいオープンレーシングカーレース「CAN-AM」のスピリットが注入されたものであり、美しさと荒々しさが同居する独特のオーラを放っていたのです。
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