本家ロールスロイスの4分の1価格「1400万円」で852馬力! ファーウェイの超高級車は単なるコピーで終わらない (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ファーウェイと江淮汽車が超高級車「マエストロS800」を共同開発

■豪華な室内空間と高い走行性能を備えている

■デジタル技術を武器に高級車市場を変える可能性がある

紅旗とは異なる中国の新たな威信

 中国の電子機器大手「ファーウェイ(Huawei)」が江淮汽車(JAC Motors)と共同で開発した超高級車「マエストロ(中国名:尊界)S800」の画像を見た瞬間、当然ながら筆者も「おや、また中国メーカーがパクったのか?」とは思った。

 紫と銀、あるいは黒と金の強烈なツートーンカラー。堂々たる直立したフロントマスク。そして威圧感満点の巨大なディッシュホイール。遠目に見れば「マイバッハとロールスロイス・ゴーストを足して10で割ったうえで、サイバーパンク風味の味付けをしました」というクルマのようにしか見えない。

 全長5480mm×全幅2000mm×全高1536mmで、ホイールベース3370mmという数値はロングホイールベース版のメルセデス・ベンツSクラス以上であり、ロールスロイス・ゴーストとほぼ同等の堂々たる体躯である。「中国の路上を走る乗用車の99.99%よりデカい」というアピールも、あながちハッタリではないのだろう。しかも驚くべきはそのプライスだ。本国での価格はおよそ70.8万〜100万元超。日本円にして約1400万〜2000万円前後でしかないのだ。

 つまり、6000万円超えが当たり前のロールスロイスや、3500万円級のマイバッハS680と比べれば「3分の1か4分の1ぐらいの予算」で買えてしまうということだ。このあたりからも、いかにも「形を真似て安く売る、毎度おなじみの中国製パクリカー」であるように感じられ、思わず鼻で笑いたくなる気もちは筆者にもある。だがマエストロS800のスペックと思想を詳細に見ていくと、鼻で笑ってはいられなくなる現実も浮かび上がってくる。

 中国の超高級サルーンといえば、習近平国家主席のパレードカーでもおなじみの「紅旗(ホンチー)」を思い浮かべる人も多いだろう。では、紅旗とこのマエストロはなにが違うのか? ひとことでいうのであれば、「国家権力の象徴か、シリコンバレー的テック覇権の象徴か」というのが、両者の根本的な違いとなるはずだ。

 第一汽車が手がける紅旗(とくにL5などのプレステージ系)は、中華民族の威信や共産党幹部の威厳を背負った、ある種の「走る紫禁城」だ。重厚なクロームグリルにクラシカルな意匠、伝統的な漆塗りパネルなど、中国国内における保守本流の権力構造を具現化したクルマだといえる。それに対してマエストロS800は、中国の新興テックエリートや若き富裕層を明確なターゲットに据えている。彼らが求めているのは旧態依然とした権威主義ではなく、「圧倒的なハイテクと未来感」だ。

 そしてマエストロS800を「単なるコピー車」と侮れない理由は、その骨格と頭脳にもある。


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伊達軍曹 DATE GUNSO

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