この記事をまとめると
■MT車のクラッチは消耗品で運転方法によって寿命が大きく変わる
■レリーズシリンダーやフルードの液面などから摩耗の進行を推測できる
■クラッチの滑りを早期に発見し走行不能になる前に交換することが重要
MT車のクラッチ寿命は何km?
MT車のクラッチは消耗品で定期的な交換が必要な部品。クラッチはエンジンの回転力を接続したり切り離したりするためのパーツで、クラッチペダルを踏んでいないときはクラッチディスクとフライホイールが密着して、エンジンの回転力はダイレクトにミッションにつながる。
シフトチェンジをするときはエンジンとミッションの間で駆動力を切り離す必要があるので、クラッチペダルを踏んで、クラッチディスクとフライホイールの間に隙間を作る。
そして発進時は、エンストしないように半クラッチを使うわけだが、このときクラッチディスクはフライホイールの表面で滑っているので、半クラッチを多用すると、クラッチディスクの摩擦材がすり減り、その摩耗が進むと、やがてクラッチペダルから足を離しても、クラッチペダルが圧着せずに滑り続け、半クラッチ状態が続いてしまう。
クラッチペダルの操作画像はこちら
これがいわゆる「クラッチが滑った」状態で、加速しようと思ってアクセルを踏んでも、回転数だけ上がって車速が上がっていかなくなったり、上手く発進できなくなったり、最後には走行不能になるので、クラッチが滑り出す前に交換することが重要だ。
そのクラッチの寿命は、走行距離にして5万〜10万kmといわれているが、ドライバーの扱い方、ドライバーの癖に大きく左右されるので、走行距離で寿命を判断するのは難しい。では、クラッチの寿命、クラッチの摩擦材の残量を確認するにはどうすればいいのか。正確な残量は、分解してクラッチディスクを直接確認しないとわからないが、いくつかは推測する方法がある。
ひとつはクルマをリフトアップして、クラッチのレリーズシリンダーのロッドを見る方法。クラッチディスクが摩耗して残量が少なくなると、レリーズシリンダーのプッシュロッドは、長く突き出た状態になる。これである程度クラッチの残量が判断できる。ただし、ある程度経験がないとわかりづらいので、オイル交換やタイヤ交換のときに、プロにチェックしてもらうのがおすすめ。
ミッションを降ろした状態画像はこちら
もうひとつはクラッチフルードの油面を見る方法。ブレーキパッドが減ったときに、ブレーキフルードの液面が下がるのと一緒で、クラッチディスクも摩耗してくると、クラッチフルードのリザーバータンクの液面が”MIN”に近づいてくる。クラッチフルードがリークしている場合もあるので、いずれにせよ要点検となる。
最後はもっと直接的な「滑り」のチェック。安全な平らな場所でサイドブレーキを引いて、エンジンをかけ、クラッチペダルを踏んでギヤを2速または3速に入れて、急にクラッチをミートさせてみる。すぐにエンストするようなら、クラッチはまだ元気。エンストするまでにタイムラグがあるようなら、クラッチが滑り出している証拠だ。
定期的にこれらのチェックを試みて、少しでも怪しければ、予防整備で早め早めにクラッチディスクを交換すると安心だ。