実は北海道発祥だった! 全国の工事現場の「動物&キャラクターバリケード」大ブームの裏にあった超人気施設

この記事をまとめると

■工事現場には単管パイプを抱えるように立っているバリケードがある

■2006年ごろに北海道で使われるようになってその後に全国に普及した

■その地域の名物などを模したユニークなデザインまで登場している

見てて愉快になるバリケードの秘密

 道路工事の現場を通りかかると、単管パイプを抱えるように立っているサルやカエル、ゾウなどを見かけることがある。最近では動物だけでなく、ご当地キャラクターやアニメのキャラクターまで登場し、工事現場のちょっとした名物になっている。では、そもそも、なぜ無機質な工事現場に、こんなかわいらしいバリケードが置かれるようになったのだろうか。

 単管バリケードは、道路工事や建設現場などで立入禁止区域を示したり、歩行者や車両を規制したりするための保安用品だ。従来は金属製などのA型バリケードが中心で、安全確保が最優先。見た目を楽しむようなものではなかった。

 この単管バリケードについて調べていくと、現在広く知られているアニマル型バリケードのルーツとして挙げられるのが、保安用品のレンタル・販売を手がける仙台銘板だ。同社のアニマルガードは2006年、北海道の旭川営業所で生まれたとされている。きっかけになったのが、当時、全国的な人気を集めていた旭山動物園だった。2006年度の旭山動物園の年間入園者数は304万人に達しており、前年より約97万人増加している。それほど、旭川の街全体が「動物園」で注目されていた時期だった。

 その人気からヒントを得て企画されたのが、動物をモチーフにした単管バリケードだ。最初に登場したのは、サルをかたどった「サルガード」。無骨で近寄りがたい印象になりがちな工事現場を、少しでも親しみやすく見せることが狙いだったという。サルガードが好評だったことから、続いてカエル、さらにゾウなどへと種類が広がっていった。

 広がりも早かった。新潟県上越地方では2007年秋ごろから、動物型の単管バリケードが道路工事現場で見られるようになり、2011年にはサルやカエルに加え、キリン、ゾウ、イルカなど、さまざまなタイプが確認されている。誕生からわずか数年で、北海道発のアイディアが各地の工事現場へ浸透していったことがわかる。

 見た目はかわいらしいが、もちろん単なる飾りではない。単管パイプを支え、工事区域を区分けし、歩行者や車両に注意を促すという基本的な役割は、従来型と同じ。その上で、工事現場の雰囲気をやわらげるという、別の役割が加わった。

 やがてデザインは動物だけにとどまらず、ぐんまちゃんやチーバくん、むすび丸といったご当地キャラクター、シーサーや恐竜など、地域色を前面に出したタイプにも発展。さらに人気キャラクターを採用したものまで登場し、単管バリケードそのものが、地域や現場の個性を表現する存在になっていった。

 かつては機能一辺倒だった工事現場の安全用品に、「見て楽しい」という発想をもち込んだアニマルバリケード。普段、何気なく見ているサルやカエルも、そのルーツをたどれば、2006年の旭川から始まった、工事現場のイメージアップのアイディアだったのである。


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