【超速攻試乗】アルファロメオ・ジュリアを中谷明彦がイタリアで全開!(超稀少インカー動画付き) (3/3ページ)

ライバルはBMW M3やメルセデスAMG C63などのスーパースポーツ

 センターコンソールにはドライブモードを選択できるダイアルが備わり、E(エフィシェンシ)、N(ノーマル)、D(ダイナミック)、RACE(レース)と4モードから選択できる。レースモードではエンジンマネージメントやスロットルレスポンス、電動ステアリングフィールがクイックに変化し、横滑りなどを抑制するESC(電子スタビリティコントロール)が解除されて極限域での走行が可能になる。

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 電動パワーステアリングは日産スカイラインのように、低速域では遊びが大きく60km/h以上の高速域になるとダイレクト感が強まり操舵力も増して安定した操作感が得られる。市街地レベルのフィールはまだ改善が必要だが、高速域では極めて正確なライントレースが可能だった。とくにハイグリップタイヤのピレリ・Pゼロが発揮するコーナリングフォースの反力やダンピングをドライバーに伝えてくれるので、タイヤのグリップ限界を掴みやすい。

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そのハイグリップタイヤの効果もありコーナリングスピードは圧倒的に速い。シャーシ剛性はもはやドイツ車レベルに高く、カーボンルーフやカーボンフードの採用などで低められた重心も効いて、レーシングカーレベルの速さに達している。それでも遮音性の高さやエンジンマウントやドライブトレインのマウントなども容量が大きく、方向性を持って剛性が高められており、快適性を損なわずに高い剛性と剛結感を両立していた。
シャーシはアルミダイキャスト製のフロントストラット砲筒キャリアや、アルミダイキャスト製前後クロスメンバーなどコストのかかった芸術的な作り込みがみられる。

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さらにリアデファレンシャルにTVD(トルクベクタリングデフ)が搭載されているのにも驚かされる。これはデファレンシャルの左右にクラッチを装備して電子制御し、駆動力の左右配分を最適化するもの。レクサスGS FのTVDと酷似しているが、ユニット自体はひと回り小型化しているように見えた。その効果の高さは言うまでもなく、クイックなハンドリングをアシストしつつ、トラクションを有効にかけてスライド時にはLSD効果も発揮してコントロール性を高めている。


ブレーキのパフォーマンスも高い。試乗車はオプションのカーボンディスクブレーキが装着。フロントにはモノブロックの6ポッドキャリパーが備えられていて、高いブレーキ容量と剛性感のあるブレーキペダルフィールが実現されている。このブレーキペダルフィールは電磁式マスターバックにより作り出されるもので、開発サイドがブレーキフィールの重要性をよく認識していることの表れだ。

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この強力な走りを支えるパワーユニットはアルファ・ロメオ社が強く主張する完全自社開発のエンジンだという。2.9リッター90度V型6気筒のツインターボエンジンで、最高出力510馬力/6500rpm。最大トルクは600N・m/2500rpmと発表されているのだ。最高速度はなんと309km/hに達する。

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最高レベルのパフォーマンスを手に入れたジュリア・クアドリフォリオ。マーケットではBMW M3やAMG C63そしてレクサスGS Fとも競合することになりそうだ。日本国内への導入は2017年度中。その時はこの4モデルでライバル対決として筑波サーキットにおいても雌雄を決したい!

中谷明彦の動画インプレッション(ATモデル)

中谷明彦の動画インプレッション(MTモデル)


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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