【意外と知らない】雨の日に前が見えない「油膜」の正体って何?

意外なことに雨を弾く撥水剤が原因のひとつ

 雨が降ると、フロントガラスがモヤモヤ。最悪なのは雨の夜で、街の明かりがギラギラするばかりで、前方視界は最悪。これ、フロントガラスに付いた油膜が原因だ。そもそも油膜とはなんぞやというと、その名の通り、ガラスに油分が付着して発生するもので、モノがモノだけにワイパーを動かしても取れないし、ウォッシャー液でも無理。油膜取りをうたうウォッシャー液でも、軽いものがなんとか落ちるかな、程度だ。

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 さらにいうと、なぜ油分がフロントガラスに付着するのか? その昔であれば、ルーフからワックスが流れ落ちてそれが付くなどといわれていたが、そもそも最近はワックスをかけるのも激減しているし、主流のコーティングは化学薬品なので流れ落ちにくいし、油分でもないので油膜にはならない。

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 それでも油膜が発生するのは事実で、一体どこから油分がやってくるのかというと、現在一番大きなのは排ガスに含まれる油分。走っていると、外部から飛んできて徐々に付着してやがて油膜になるのだ。

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 またもうひとつ大きいのが、撥水剤。液体ワイパーというやつで、愛用しているひとも多いだろう。撥水剤自体は水を弾くモノなので、ワックスを含んだ水分がガラスに付着するのを防止するとされているのに、なぜ原因になるのか? じつは劣化した撥水被膜が油膜になってしまうのだ。

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 撥水剤のパッケージにある主成分をよく見てもらうと、シリコンとあることが多い。つまり油を塗っているようなものなので、被膜の吸着力が落ちると油膜なってしまうのだ。また、もうひとつの成分であるフッ素も、被膜が劣化すると油膜のような症状になる。

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 いずれにしても視界を良好に保つには、撥水剤の施工前に毎回油膜落とし用のコンパウンドなどを使って古い被膜をしっかり落とすことが大切。そもそも古い被膜の上に塗っても撥水効果がチャンと発揮されないので意味もない。

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 もちろんワックスや排気ガスが原因の頑固な油膜についても、削り落としてやるしかない。それほどまでに劣化した被膜や油膜は頑固なのだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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