目が見えない人限定! 実車の運転体験ができるツアーが開催 (1/4ページ)

視覚障がい者が自分でステアリングを握って運転する

「一生に一度でいいから自分で実際にクルマを運転してみたい」そんな視覚障がい者の夢を実現するプログラムが世のなかに存在する。

 補助ブレーキが付いた自動車学校の教習車と同様の車両を使って、助手席にインストラクターが乗る。そのインストラクターがステアリングの舵角やアクセル、ブレーキのタイミングを知らせる。しかし実際に操作をするのは視覚障がい者であり、自身がエンジンをかけ、ハンドルを握り、アクセルとブレーキを操作するのだ。

clubtourism001今回このツアーの様子がメディアに公開された。ツアーの開催場所は栃木県にあるサーキットであるツインリンクもてぎ。その敷地内にあるアクティブセーフティトレーニングパーク(ASTP)や場内の各施設がその会場となる。9月20~21日の1泊2日の行程で、参加者は自身でハンドルを握り運転する体験を繰り返し行なう。

clubtourism011この企画を行うのはクラブツーリズム。海外旅行から国内旅行・バスツアーまで、多種多彩なツアーを提供する会社である。

 この企画は、とあるツアーに参加していた視覚障がい者のそんなひと言から始まったものだ。そのツアーに同行していた同社の渕山知弘さん(現・テーマ旅行部ユニバーサル旅行センター課長)が、その夢を実現させるには、なにが揃えばできるのかを、5年ほど模索してたどり着いたツアーなのだという。

clubtourism010これまでに開催は10回を数える。当初は自動車学校で開催していたが、第3回目からツインリンクもてぎでも開催するようになり、第6回以降はずっともてぎでの開催である。

clubtourism002クラブツーリズムにバリアフリー旅行センターという部署ができて、来年で20周年となるという。多くが車イスを使用する参加者のツアーだが、2000年からは視覚障がい者向けのツアーも実施。これまでにロンドンやシドニーのパラリンピック観戦ツアーなどを企画。ツアーのなかには大英博物館で展示品を触るツアーなども組み込んだという。

 このツアーは参加人数16名を上限として募集を募っている。毎回口コミだけでほぼ埋まってしまうという人気の企画だ。しかし、ツアー内容の質を重視するため、16名以上に増やすことはできないのだという。

clubtourism006この視覚障がい者の自動車運転ツアーも旅行商品であり、もちろんボランティアではない。顧客ニーズをくみ取り、毎回実施後に意見交換を行ない、改善もしている。筆跡が立体的になるもこもこペンで試乗コース図を描くことや、ハンドル位置を把握するためにベルクロテープを巻き付けるといったことも、 回数を重ねていって改善され、でき上がったものだ。

 現在リピーターがツアーの約半数を占める。ほかの旅行商品にはありえないほどのリピーター率といえる。

clubtourism007また、ヘルパーとして各参加者に同行するのは、社員研修としてバリアフリー旅行研修を取り入れている近畿日本ツーリストの研修社員となる。

 プログラムは、東京・上野駅からバスでツインリンクもてぎまで移動。初日の午後から走行がスタート。第2ASTPコースや南コースを使用しての周回走行、そしてインストラクターによる同乗走行、電動カート(モビパークにあるファンビークル)での走行体験。ほかにもホンダ・コレクションホールの展示車両に触れたりする機会も設けられる。二日目の午前いっぱいをもてぎで過ごし、バスで帰京して解散というスケジュールとなる。

画像ギャラリー