目が見えない人限定! 実車の運転体験ができるツアーが開催 (3/4ページ)

「いつか自分のインプレッサで走りたい」野地美行さん

 中学生の頃、盲学校へ来ていた保護者のひとりが乗るインプレッサのエキゾーストに興味をもったのがきっかけでスバル車と水平対向エンジンに興味を持ったという野地さん。調べてみると、スポーティカーだけでなく1.5リッターのエントリークラスでも同じ水平対向エンジンがラインアップされているということで、運転をする母親を説得してインプレッサ・スポーツワゴンを購入してもらったという。

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 その母親もインプレッサを気に入り、すでに2台乗り継いでいるという。さらに、車両購入だけではなくアフターパーツにも手を出している。インテークマニホールドとマフラーも変更。マフラー選びは性能比較はもちろん、YouTUBEの動画の音声を聞き比べ、「低音が強く自分好みの音だった」という柿本改を選択。ほかにもクラクションも交換。

 自宅の駐車場で時折車両に乗り込んでアクセルをあおって楽しんでいたという。今回このツアーに初めて参加。アクセルの空ぶかしは普段からやっているわけだが、実際に駆動とつながってエンジン回転が上昇していく感覚は新鮮だったという。

 また、初めてブレーキで実際に制動させたのも今回が初めて。ブレーキペダルを踏むとどのあたりからどのように効くのか、この体験も楽しんだようだ。次回は「もっとスピードを出したいし、MT車にも乗ってみたい」、そしていつか自分のインプレッサをもち込んで走ってみたい、とのことだ。

「家族の会話に入っていきたい」大脇多香子さん

 ご主人、息子二人の4人家族の大脇家には4台のクルマがある。無限RR(ホンダ・シビック・タイプRをベースに無限が仕立てた限定コンプリートカー)、トヨタ・アルテッツァ、スズキ・スイフトスポーツ、スズキ・アルトワークスがそれで、すべてMT車だという。

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 もちろん大脇さんを除く3名にはクルマという共通言語があるのだ。その彼らの話に少しでも本当に共感できたら、という思いがあっての参加だ。実際に走行をしてみて「できないと思っていたことができる。枠が外れ可能性を感じることができた」と語ってくれた。また、最初はハンドルの位置だけに気を取られていたが、あるタイミングでハンドルの位置ではなく道が描けるようになったという。それも大きな発見のようだった。

  

「歩行中に身を守る知識が増えた」小山 昇さん

「一度でいいからエンジンを掛けたい」と以前から思っており参加。前回参加した際に、スラローム走行がビシッと決まり楽しかったということから、今回も夫婦そろって2回目の参加。

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「風光明媚な場所は我々にとっては何もないのといっしょ。制限されているわけです。でも、その中でも体験できるものは得られるものも大きいし、記憶にしっかりと残ります。だからこそいろいろ体験したいと思っているんです」とのこと。またこのツアーでAT車のクリープ現象を初めて知ったという。このクリープ現象のせいで、ブレーキの踏み不足による追突事故も多い。それを知ったことで横断歩道を渡る際に注意をしたり自分の身を守る知識が一つ増えたという。

  

「若者の気持ちがよくわかる」井上 修さん

 なんと今回で7回目の参加となる井上さんは熊本県から参加するツワモノだ。学生時代から純粋にクルマを運転してみたいという思いをもっていたという。旅行が好きで、たまたま冬季に何か面白いツアーはないかと相談したときにこのツアーを知り、参加。スピードに興味もあり「若いもんが走る気もちがよくわかる」とコメント。

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 弱視であるので、センターラインが少しわかる。しかしこのセンターラインを割って酔っ払い運転みたいにフラフラしてしまうのだという。そこで今回はそのセンターラインを割らずに走るという目標をもってやってきた。毎回自分で課題を作り研修のつもりでやってきているという。もっと(現在の1回の試乗プログラムであるコース2周ではなく)15分近くを一度に長く乗りたい、片手運転をしてみたい、など夢は広がる。


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