【今さら聞けない】ブレーキオイルには走り方で選んだほうがいい「レベル」があるって本当? (1/2ページ)

沸点によって明確に区分けされている!

 本当である。現在のクルマのブレーキは、基本的に油圧式。油圧=油の圧力で、その油に相当するのが、いわゆるブレーキフルード。

 その主成分は、鉱物系、グリコール系、シリコン系の3つがあり、市販のブレーキフルードの大半は、グリコール系(ホースやシールなどのゴム類との相性に優れている)。そして、ブレーキフルードにも規格があり、沸点の違いによって、DOT3、DOT4、DOT5に分かれている(DOT1、DOT2もあったが、沸点が低く昨今では出回っていない)。

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 なぜ沸点が大事かというと、ブレーキフルードは、ブレーキキャリパー内のピストンを押し出す仕事をしているので、非常に高温に晒される。ブレーキパッド&ローターの熱が伝わって、ブレーキフルードが沸騰すると、オイル内に気泡が生じ、ブレーキペダルを踏んでもその気泡がつぶれるだけで、肝心のピストンが動かず、ブレーキが利かなくなるからだ(いわゆるベーパーロック現象)。

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 DOT(ドット)規格のグレードの違いは、ドライ沸点=吸湿率0%時の沸点(新品時の沸点)と、ウェット沸点=吸湿率3.7%時の沸点(1~2年間使用後の沸点)で決まる(厳密にいうと、粘度やph値も)。

 もっとも標準的なDOT3は、ドライ沸点205℃以上・ウェット沸点140℃以上。DOT4は、ドライ沸点230℃以上・ウェット沸点155℃以上。DOT5は、ドライ沸点260℃以上・ウェット沸点180℃以上。

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 このウェット沸点について、説明しておこう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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