【ニッポンの名車】バブル真っ只なかを駆け抜けたトヨタA70型スープラ (2/2ページ)

ミノルタカラーや富士通テンカラーでグループAにも参戦

 1988年8月には、グループAのホモロゲーション用の500台限定モデル「ターボA」も登場。7M-GTに専用の大容量タービンが用意され、270馬力までパワーアップ。

WEB CARTOP

 このターボAは、通称「ターボAダクト」呼ばれる3連ダクトが、フロントバンパーセンターにあけられていたのも特徴。のちに登場するスカイラインGT-R(R32)のNISMOの“ブタ鼻”(NISMOダクト)の走りともいえるものだった。WEB CARTOPさらに1990年のマイナーチェンジで、トヨタ車初の280馬力の5速MT設定車となる「2.5GTツインターボ」を投入。エンジンは7M-GTから、2.5リッターツインターボの 1JZ-GTEにバトンタッチ。WEB CARTOP

 ビルシュタインダンパーもおごられて、大柄のボディの割にハンドリングがよく、ドライビングプレジャーの高いFR車と評され、チューニングやカスタマイズも盛んに行われた。モータースポーツでは、前記のとおり、グループAレースに参戦。WEB CARTOP

 1987年にトムスが総合優勝を狙ってマシン開発を行い、デビュー戦のSUGOで優勝。あまり知られていないが、スパ・フランコルシャン(ベルギー)で行われた、スパ24時間耐久レースにも出場している。

 グループAでは、ミノルタカラーや富士通テンカラーのスープラが印象的だったが、勝利はデビュー戦の1勝のみ……。90年でグループAレースから撤退し、93年まで生産された。WEB CARTOP

 ライバルはフェアレディZとなるだろうが、指向性はやや異なる。セリカというスペシャリティカーの延長から、本格的FRスポーツとして誕生した70スープラは、他車にはない独自の世界観を持ったクルマだった。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報