【ライバル比較】ヨーロッパの人気コンパクト6台を全方位チェック! (4/7ページ)

小さいボディと視界のよさでフィアット500がストレスの少ない市街地走行をみせる

 では走行パートに移ろう。まずは市街地からスタート!

 街なかでのコンパクトカーらしい「ストレスフリーぶり=強味」は、走行車線をただ流しているだけでも、5ナンバーコンパクトの4台に共通して感じられるもの。そのなかでもとくにストレスなく走れたのはフィアット500だった。

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 ライバルたちと同じ道を走っても道幅が広く感じられる安心感。これが路上駐車や車線変更時のスムースでスマートな動作に繋がるから嬉しい。それは全幅がもっとも抑えられていることも要因だが、(トゥインゴやup!より2.5センチ狭いだけなのだけれど)、デザインによる視覚的効果も大きい。

 運転席からの視界は、Aピラーを細く見せ、ドアミラーをドアに取り付けAピラーとミラーの間にクリアランスが設けられている。じつはこれが見切りのよさを生んでいて、ボディサイズと視覚的安心感との相乗効果をもたらしているようだ。

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今回連れ出したフィアット500はツインエア(2気筒)のエンジンを搭載しており、走っているときの雰囲気もじつにいい。多少好みはわかれるかもしれないが、フィアット500の走りの雰囲気とよくマッチしている。

 というのはこのエンジン、アクセルの踏み込みに応じて独特のエンジン音と共に、アクセルペダルやシート、ハンドルにその振動が伝わってくる。3気筒以上の他車にはないユニークな特性だが、パワートレインとの対話がシッカリとでき、個人的にはなんとも愛おしい。

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 街中の動力はまったく問題ない。組み合わされるトランスミッションにはシングルクラッチ式のセミオートマを採用していてシフトチェンジの際にタイムラグとショックがあるため、オートマ車というよりも、イージー操作を可能にしたマニュアルトランスミッションという感覚でドライブすると楽しめる。

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 街中での小まわり番長はスマートで最小回転半径は4.1m。乗り心地はもっとも硬めだったけれど、ボディサイズのわりに骨太さや重厚感が感じられ、走行中のドッシリ感はトゥインゴとまったく異なる。この重厚さを安心感としてプラスしたい方にはおすすめかもしれない。

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トゥインゴは足もとの軽さが印象的。交差点を曲がるだけでもその軽快さにニヤケてしまうほどだ。そしてその印象はワインディングでも変わらないのだが、それはまたのちほど。

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意外にもそのトゥインゴと印象がかなりかぶったのがup!だった。出足から軽くスイスイとよく走る。シングルクラッチのセミオートマ『ASG』を採用するup!の変速フィールは以前にくらべ格段に進化していた。が、まだ迷いシフトや応答遅れがあるのは否めない。

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 またup!は走りに軽さが感じられるだけでなく、アクセルの踏み応えやハンドルの操作感も共通して軽めであり、そのあたりの作り込みが上手い。ただトゥインゴに比べてup!のほうがいくらか足まわりが硬めで、それは交差点を曲がるだけでもカッチリ感として伝わってきた。

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 乗り心地が悪いと感じるほどの硬さではないものの、フォルクスワーゲン的、もしくはドイツ車的ともいえるだろう。デザイン性や質感は他のモデルと比べて特筆すべき点が少ないけれど、機能性を重視したワリキリぶりには好感が持てる。スクエア系のボディのサイズを活かした取り回しの良さも加筆しておきたい。

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