スーパーハイト軽って「装備」「使い勝手」が注目されるけど……じつは走りにも大きな違いがある! ライバル5台を徹底比較!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スーパーハイト軽は装備面が重視されがちなカテゴリーだ

■走りの質も高いモデルが最近は多いので長距離移動もラクにこなせる

■それぞれのモデルには個性があるのでライフスタイルに合わせて選ぶのがキモだ

スーパーハイト軽って走りを楽しめるの?

 すでに軽自動車の販売台数の約6割をスライドドア車が占めている時代です。とくに、スーパーハイトワゴンと呼ばれる天井の高い室内空間をもつモデルたちは、3年にわたって全乗用車のなかで販売台数トップを独走するホンダN-BOXをはじめ、各メーカーとも大人気となっています。

 それらのスーパーハイト軽では、なにかと広さや便利さ、快適装備の充実度などが話題にのぼり、実際に購入しているユーザーの声を聞いてもそんなに「走り」の違いに着目したり、こだわっている人は少ない印象です。もちろん、軽規格ではエンジン排気量も660cc以下と決められており、パワーやトルクも自主規制ということでパワーなら64馬力程度まで、トルクなら100Nm程度までに抑えられているので、そんなに走っても違いがないように感じるかもしれませんね。

 でも実際は、けっこう違いがあるものです。そこにはメーカーそれぞれの開発におけるこだわりや、販売戦略が見て取れます。すべてに共通の違いでいえば、どのモデルも自然吸気エンジンモデルは市街地メインの軽快感を重視した走り、ターボエンジンモデルは高速道路での長距離走行も視野に入れたガッシリとした走り、というようにキャラクターわけをしている印象。

 そのため、ターボエンジンモデルのみに、自然吸気エンジンモデルと比べてさらにボディの剛性や静粛性を高めるための防振材、構造用接着剤といったものを加えたり、スタビライザーを追加装備したり、タイヤサイズを大きくしたり、サスペンション形式は同じだけどチューニングを変えたり、といった工夫をしているところが多くなっています。

 ではメーカーごとの違いを見ていきましょう。

 まずホンダN-BOXですが、もともと初代から2代目へとフルモデルチェンジした際に、走りの基本性能アップに相当な力を入れてきました。そこから現行の3代目では2代目のときにできなかったところに手を入れ、上質感やなめらかさ、静粛性や安定感の向上に注力したことで、ターボモデルはもはや軽自動車では別格。コンパクトカーと同等と言えるパワフルかつ上質な走りと、高い静粛性や高速走行の安定感を達成しています。

 それらは自然吸気モデルでも高い次元を実現しており、N-BOXの自然吸気モデルと他メーカーのターボモデルが同じくらいの走りの感覚といってもよいレベル。ただ、3〜4人乗車になるとさすがに上り坂でエンジン音が大きくなったり、加速が鈍ったりしますので、フル乗車や荷物が多い人、長距離走行を頻繁にする人はターボモデルがおすすめです。全般的に、走りのクオリティにこだわる人にはN-BOXはおすすめできるスーパーハイト軽といえるでしょう。

 続いて販売台数でN-BOXを追い上げてきているスズキ・スペーシアは、マイルドハイブリッドの採用が他メーカーと異なるところ。これはストロングハイブリッドのようにモーターのみでの走行はできませんが、発進時や追い越し時の加速といった、エンジンで走るには効率の悪いところでモーターがアシストしてくれる利点があります。

 ただし、これはエネルギーモニターを見ていなければ、「いま、アシストしてるな」と感じることはほとんどなく、まるで元からエンジンがパワフルだったかのように自然です。もしかすると、違和感を感じることがあるかもしれないのはアイドリングストップシステムのほう。

 スズキはブレーキペダルを踏んで減速し、速度がだいたい10km/h以下になるとエンジンを自動停止するので、そこから再加速した際などにブルンとエンジンが再始動することになり、場合によっては遅れを感じたり、もたつくような感覚になることもあるのです。

 とはいえ、自然吸気エンジンとターボエンジンのどちらも軽快感があり、スニーカー感覚で馴染みやすいのがスペーシアの走りの特徴。上質感やガッシリとした剛性感はN-BOXに譲るかもしれませんが、十分に安心して走れます。普段着感覚で乗りたい人におすすめのモデルです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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