女性だけのレーシングチームでスーパー耐久に参戦
2015年からマツダの協力を得てスタートしたMAZDA Women in Motorsport Project(マツダ ウイメン イン モータースポーツ プロジェクト)。これまでの2年間で、下は18歳から上は68歳までの600人の応募があり、2期にわたって選抜されたドライバーは約40名に上る。
この育成ドライバーたちは、2016年の活動で12名が各カテゴリーで優勝を飾り、68名が入賞を経験するという非常に優秀な成績を残している。また、自動車メーカーや関連産業への就職者も輩出しているという。
3月28日(火)、都内にあるソフト99コーポレーションの東京サイトで2017年度の「Women in Motorsport Project」活動の体制発表記者会見が行なわれた。FIA(国際自動車連盟)女性代表委員でJAF(日本自動車連盟) Women in motorsportアンバサダーの井原慶子選手がまず登壇し、これまでの活動について、さらに今年の体制についての説明がなされた。
今シーズンは、新たに「Love Drive Racing」という女性だけのレーシングチームを立ち上げスーパー耐久シリーズ(S耐)に参戦することが発表された。監督は井原慶子選手、そしてドライバーはこのWIMの育成ドライバーで、全員女性ということになる。車両はマツダ・ロードスター(ND型)でST-5クラスに参戦する。
この会場には、WIMのS耐マシンのメンテナンスを行なうR&D SPORTの澤田 稔さんも登場。R&D SPORTは、国内最高峰のレースシリーズであるスーパーGTシリーズに参戦して16年目を迎える名門チーム。2003年に若手スタッフの育成を見据え、ポルシェGT3Rを使用し、全日本GT選手権(スーパーGT選手権の前身)GT300クラスへ出場したことがあるが、その「R&DスポーツダンロップGT3R」のドライバーとしてチームに合流したのが井原慶子選手だったという。そのときの縁で、今回のジョイントが実現した。
他にはWIMのプロジェクトのなかにラリープログラムとEVプログラムという2つのプログラムもスタートさせる。ラリープログラムには、台湾出身のホン・ミンウェイ選手がドライバーとして、そしてコ・ドライバーには古本舞桜選手が、トヨタ・アクアでToyota Gazoo Racingラリーチャレンジ・東シリーズに参戦する。
ラリープログラムは、TRDからの協力を得て、WRC(世界ラリー選手権)に日本人として初めて参戦した勝田照夫さんがこのプログラムを監修することとなる。
EVプログラムでは、猪爪杏奈選手がBMW i3を使用し、全日本電気自動車レース(JEVRA)シリーズの第2戦からEV-2クラスへ挑戦することとなった(猪爪選手は、会社勤務のためこの発表会へは欠席)。
3年目のシーズンとなり、このWIMの活動もメーカーの垣根を越えての活動となり、今シーズンからはMAZDAの名前は外れることとなった。また、これまでマツダの美祢試験場などで行なわれていた訓練合宿は別のプログラムに置き換えられることとなる。
女性のモータースポーツ界での活躍する女性の発掘・育成するこのWIMは現在第3期生を募集中だ。18歳以上の女性(国籍は問わず)で、普通免許を所有し、モータースポーツに関心が高く参画を目指す方(メカニック、エンジニア、マネージメントを目指す方も応募可能)。モータースポーツ経験は不問。募集人数は10名程度で、募集締切は4月28日(金)まで、となってる。