【今さら聞けない】製法から数字の読み方まで「アルミホイール」の基礎知識 (1/2ページ)

アルミホイールはドレスアップにも性能にも重要なパーツ

 クルマをカスタマイズするとき、かなり優先度が高いアルミホイール。そのアルミホイールの基礎知識をあれこれ紹介したい。アルミホイールの原料はアルミニウム合金。アルミは軽くて、見た目が美しくて、加工がしやすく、耐食性に優れ、リサイクルも容易と、クルマのホイールにはピッタリの素材だ。

  

ホイールの製法

 ホイールの場合、このアルミ合金を使って、ざっと三種類の製法で作られている。主流は、アルミを高温(アルミの融点は約660℃)で溶かして、金型に流し込んで成形する「鋳造方法」。デザインの自由度が高く、大量生産に向いているので、コストが安いというのが最大のメリット。

 もうひとつは、アルミのビレット(塊)を約450℃に熱し、そこに1平方センチメートルあたり4から8トンほどの圧力をかけ、アルミを潰すようにして成形する「鍛造方法」。加圧することで、金属の分子密度が高くなり、強度が高く変形しにくいのが特徴。同じ強度でも軽いホイールを作ることができる。

 ただし、大きな設備が必要で、工程数も多いので、生産性が低く高コストになるのが弱点。デザイン性も制限されるが、軽さと強度を重視する、レース用のホイールとしては定番。

 三つ目は、ディスク部とリム部は鋳造で作り、リム部をスピニングによって伸ばす「鋳造リムスピニング製法」。鋳造の低コスト・高デザイン性と、鍛造に近い強度をリムに与える、いいトコ取りを目指す製法だと思えばいい。

ホイールの構造

 製造時に、リムとディスクを一体で成形したホイールは1ピースホイールという。1ピースホイールは、リムとディスクが一体構造で、真円度が高く、バランス面でも有利。

 一方、リムとディスクを別々に作って、組み付けるのは、2ピースホイール。さらにリム部も2分割した状態で作るのを、3ピースホイールという。

 2ピース、3ピースのメリットは、サイズの自由度が大きいこと。ディスクとリムを固定するピアスボルト(ダミーで溶接の場合も)が付き、ファッション性が高い。(ちなみに2ピースも3ピースも一度組み付けて出荷されたあとは、基本的に分解できない)


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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