京都大学発のEVベンチャーが贈るスーパーカーGLM G4は4000万円!(動画あり) (1/2ページ)

見た目に違わぬ544馬力・1000N・mのモンスターマシン

1997年にトミタ夢工場が生み出した2シーターミドシップピュアスポーツカー「トミーカイラZZ」の骨格や外装、パワートレインを設計変更しEV化したモデルのの製造を行う、京都大学発のEVベンチャー企業・GLM(小間裕康社長)。

彼らが2016年9月のパリモーターショーで発表した、2019年の市販化を目指して開発中の新たなEVスーパースポーツコンセプト「GLM G4」を日本初披露。さらには同車量産モデルの開発スケジュール及び販売戦略、そして販売予定価格・台数を発表した!

GLM G4は、「『ロードヨット』(路上を走るヨット)をコンセプトに、現代のラグジュアリーカーの新境地を拓く、新時代の『グランドツアリングカー』として開発を進めている(小間社長)」、4ドア4シーターのEVスーパースポーツ。

低くワイドに構え、後方に行くほどキャラクターラインは上がり、ルーフラインは下がっていく、スーパースポーツらしいプロポーションを持ちながら、オープン時はハサミのように上方へ跳ね上がるシザーズドアを前後とも採用することで、大人4人が快適に過ごせる室内空間と後席への乗降性を確保している。

GLM G4がスーパースポーツらしいのは内外装だけではない。専用開発の高効率・高出力モーターを前後に搭載し、400kW(544馬力)・1000Nm(102.0kgm)もの最高出力・最大トルクを発揮。しかも、2個のモーターがそれぞれ路面の状況に応じてタイヤの回転力を調整し、最大限のトラクションを得る制御技術を搭載する。

その結果、0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は250km/hをマーク! しかもNEDC(新欧州ドライビングサイクル)モード航続距離は400kmに達するという。

このGLM G4、スーパースポーツらしい内外装と超高性能、超高級サルーンのような居住性と実用性、そしてこれからの自動車に求められるゼロエミッション性能を兼ね備えた、まさに夢のクルマといえそうだ。

4月18日に東京・新豊洲Brilliaランニングスタジアムで開催された発表会では、GLM G4量産モデルの開発スケジュール及び販売戦略を公表。そして、気になる価格は4000万円(想定価格)、販売予定台数は1000台であることが明らかにされた!

GLMは、自動車の設計・製造についても、従来の自動車産業にはない手法を実践している。それを実現するために採用した手段のひとつが、プラットフォームと外装を完全に分離したボディだ。

複数に分割されたモジュールを、車両のサイズやタイプに応じて組み合わせられる構造のプラットフォームを開発。プラットフォームそのものやその一部分、設計技術など培ったノウハウの販売を可能にし、自動車メーカー以外でも比較的容易にEVを共同開発できるビジネスモデルを「プラットフォーム事業」として展開する計画を立てている。

なお、現時点では「2シータースポーツカータイプ」と「4シーターグランドツアリングタイプ」、「スモールビークルタイプ」、3種類のプラットフォームが設定されている。

またGLMは、車両のコンセプトや性能・仕様・デザインの企画、パワートレイン・ボディ・シャーシ・安全性能など基礎技術の開発に注力。実際に使用する部品は、国内外約170社の部品メーカーから調達するか、モーターやバッテリーなど重要な部品については共同開発することとした。具体的には、モーター・インバーターは安川電機、車載部品はオムロン、車載用充電器はニチコンと共同開発体制を構築した。

この共同開発においてもGLMは、独自の方針を貫いている。GLM自社でノウハウをすべて抱え込み、部品メーカーに対して部品の形状・仕様を決定した詳細な理由を明らかにしない従来の垂直分業型ではなく、開発状況やコンセプト、必要な部品の内容をオープンにする水平分業型の体制を構築。GLMと部品メーカー双方が情報とアイデアを出し合いやすい環境を整えることで、品質及び開発スピードの向上を図っている。 

クルマそのものも、またその開発体制も、既成概念を覆す要素で満ちているEVスーパースポーツ「GLM G4」、その発売時期は2年後の2019年。確実に手に入れるには、すぐの予約注文が必須となりそうだ!


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
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