【WRC第6戦】優勝はフォードのオジェ! トヨタは3台入賞を果たす

トヨタのエースラトバラはデイ2でトップに立つもロールオーバー

 2017年のWRCは再びヨーロッパ大陸へ移動、5月18日~21日にポルトガルを舞台に第6戦が開催された。同イベントのホストタウンはポルトガル北部のマトジニョスで、その周辺の山岳エリアにグラベルステージを設定。

 ラリーは18日の夕刻、ロウサダのラリークロスコースに設定された全長3.36kmのスーパーSSで幕を開けており、「とても素晴らしい雰囲気でステージを満喫した」と語るように、トヨタのエース、ヤリ-マティ・ラトバラがヤリスWRCを武器に7番手タイムをマークした。

 セカンドドライバーのユホ・ハンニネンが9番手タイムで続き、同大会より3台目のヤリスWRCを駆るエサペッカ・ラッピは「6カ月間も用意をしてきたので準備は万端ですけど、週末に向けてスピードを上げていきたい」とのことで、13番手でデイ1をフィニッシュした。

 翌19日のデイ2よりマトジニョス周辺のグラベルステージで本格的なラリーがスタートするとトヨタのエース、ラトバラが猛威を発揮。「コースは荒れていたが、思い切り攻めることができた」と語るように、SS2でセカンドベストをマークすると、SS3でベストタイムをマークし、総合順位で首位に浮上する。

 しかし、「スライドを止められずにコース脇のバンクに接触。2輪が浮いた状態となって転倒した」と語るようにラトバラがSS7でロールオーバー。なんとかサービスへと帰還するものの、13番手でデイ2を終えることとなった。この結果、トヨタ勢の最上位はハンニネンの7番手で、ラッピが8番手で競技2日目を消化した。

 20日のデイ3でもフォード・フィエスタWRCを武器に首位に付けていたオット・タナクがSS12でコースアウトを喫し、トップ争いから脱落するなどサバイバルラリーが展開。

 そして注目のトヨタ陣営も苦戦を強いられていた。まず、トヨタの最上位に付けるハンニネンがSS14でクルマがストップするトラブルが発生。無事に再スタートを切るものの、約1分のタイムロスを強いられる。さらに「今日は胃がとても痛み、何も食べ物を受け付けないぐらい酷い体調だった」と語るようにエースのラトバラは胃痛に苦しみながらのアタックを強いられる。

 さらに若手ドライバーのラッピもSS15で右リヤをヒットさせ、サスペンションとブレーキを破損したが、それでも3台のヤリスWRCはコンスタントな走りを披露。ハンニネンが7番手をキープするほか、SS14でサードベストをマークしたラトバラも9番手に浮上。さらにラッピもポジションを落とすものの、11番手でデイ3をフィニッシュした。


そして、21日のデイ4でもトヨタ勢は安定した走りを披露した。「最後まで走りきり、ポイントを獲得できたのは良かった」と語るハンニネンがトヨタ勢の最上位となる7位に付けるほか、「これまでのキャリアでもっとも身体的に辛いラリーだった」と語るラトバラが9位で完走。さらにWRカーで初参戦を果たしたラッピも「適切なスピードを見出すことができたことは良かった」とのことで10位に食い込むなど3台ともに入賞を果たした。


なお、気になるトップ争いはフォード・フィエスタWRCを武器に抜群の安定感を披露したセバスチャン・オジェが今季2勝目を獲得。i20クーペを駆るヒュンダイのティエリー・ヌービルが2位、同じくヒュンダイのダニ・ソルドが3位で表彰台を獲得した。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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