自動ブレーキ普及で板金業者が悲鳴! 悩めるディーラーも

事故減少は大歓迎だが新たな事業展開が必要な板金業者も

 昨今の自動車の最新装備で話題となっているのが自動ブレーキ。衝突事故防止や被害の軽減にはかなり効果があるようだ。聞いた話では、自動ブレーキではないものの、後付けで前方車両へ過度な接近をしたときなどに警告アラームを発するデバイスを装着しただけでも、衝突事故をかなりの割合で防ぐことができるとのことなので、自動ブレーキはさらなる効果が期待できるのは間違いない。自動ブレーキ

 事実、某メーカー系レンタカー会社では装着可能な車両ならすべて装着しており、実際に効果をあげているとのことである。ある日、馴染みのディーラーセールスマンを訪ねたときに自動ブレーキの話になると、「確かに事故抑止には効果があるようですが……」と言葉を濁すので聞いてみると、「お客様が事故を起こす確率が減ることは喜ぶべきことです。しかし自動ブレーキや衝突事故軽減ブレーキなどが普及してくるにしたがい、とたんに板金修理の入庫もガタ減りとなったのです」。

 今どきの新車ディーラーは、バブル経済のころに比べれば明らかに薄くなったディーラー利益から値引き原資を捻出して新車を販売しているので、新車販売による収益は少なく、点検や整備などのメンテナンスサービスが収益の柱となっている。

自動ブレーキ

 しかし、ここも格安車検業者などとの競争が激しくなり、メンテナンスパック(一定期間の定期的な点検にかかる費用を前払いすることで格安になるもの)の普及がかなり進み、一昔前ほどの収益は見込めなくなってきた。そして数少ない厚い利益が見込めるのが板金修理であったのだ。

 作業工賃という技術料が、代金のかなりを占めることが利益の厚くなる要因とされている。しかし自動ブレーキの普及でいよいよこの「最後の砦」も期待できなくなろうとしている。自動ブレーキ

 気になるのは、板金修理は今でもディーラーでの内製化が遅れている分野であること。つまり外部の板金修理業者へ外注するケースが多いのだ。新車ディーラーはそれでも板金修理に代わる新たな収益源の開拓は可能だが、板金修理業者への打撃は深刻ではないかとの話もある。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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