【今さら聞けない】AT車のキックダウンって何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■キックダウンとは、AT車がDレンジで走行中にギヤがシフトダウンすること

■必要に応じてキックダウンを使うことによって、スマートな運転ができる

■キックダウンの仕組みや有効な使い方について解説する

AT車で自動的にシフトダウンするシステム

 キックダウンとは、AT車がDレンジで走行中、自動的にギヤがシフトダウンすることを指す。

 AT車のATとは、オートマチックトランスミッションの略で、日本語にすれば「自動変速機」のこと。エンジンの力=トルクは、基本的には回転数の上昇とともに盛り上がっていき、ピークを過ぎると回転数を上げても徐々に小さくなっていく。

 つまり、エンジンは、力強く、なおかつ燃費もいい、美味しい回転数が決まっていて、AT車はできるだけその美味しい回転数、効率のいい回転数をキープできるように、自動的にギヤを変速させる仕組みになっている。

 実際、停止しているクルマを発進させて徐々に加速していくと、ATは速度の上昇に合わせて自動的にギヤをシフトアップさせていくことは体感できるはず。同じように必要に応じてギヤをシフトダウンするものATの大きな仕事で、現状の速度をキープするために必要なアクセル開度よりも、大きくアクセルを踏み込むと「もっと力強い加速力が必要なんだ」とコンピュータが判断し、ポンポンと最適な加速力が得られるまで自動的にシフトダウンしてくれる。

 このアクセルオン→シフトダウンの一連の流れを「キックダウン」という。かつて、3速ATや4速ATが主流だった頃は、ギヤレシオがワイドだったために、シフトダウン時の変速ショックも大きく、キックダウン=「蹴り落とす」という表現がぴったりの荒々しいフィーリングだったが、7速、8速の多段ATやCVTは、変速ショックが少なく、ギヤ比もクロスしているので、どこからアクセルを踏み込んでもスムースに、そしてパワフルな加速をしてくれる。

 高速道路の合流や、前走車を追い抜くとき、そして上り坂では、積極的にこのキックダウンを使って、スムースに加速しスイスイと気持ちのいい流れをキープしよう。そのためには、加速=エンジンの力が必要なシーンでは、きちんとアクセルを踏み足すこと。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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