輸入車に左ハンドルで乗るメリットとは? (2/2ページ)

MT車では右ハンドルだと左手でシフトとウインカーを操作する煩わしさも

 左ハンドル車でのちょっとした感動は、ウインカーの操作時にも得られる。本来、ウインカーレバーはシフト操作をしない側の手で操作することが望ましい。フロアシフトの場合、右ハンドル車は左手でシフト操作をするので、ウインカーレバーは右側にある方が操作負担が分散して理にかなっており、日本車ではすべてがそうなっている。

 シフト操作の頻度が低いAT車ではあまり実感しないが、ウインカーレバーが左側にある輸入車のMTでは左手がウインカーとシフト操作の両方を担う煩わしさを実感するはずだ。輸入車のウインカーレバーが左側にあるのは国際規格に準じているからなのだが、やはりAT車でも左ハンドルに乗ったほうがウインカーレバーが左側にある意味が実感でき、より自然に操作できるように感じられるだろう。

 ペダルレイアウトの違和感についてはほとんど解消されつつあるが、厳密にはやはり左ハンドル仕様のほうがより適切な配置になっているものが多い。同じモデルでハンドル左右違いを乗り比べるとそれがわかる。先代型フォード・フォーカスのMT車では右ハンドルになるとフットレストがなくなるし、現行モデルでもルノー・トゥインゴなどの小型のモデルではペダル配置スペースに制約があるせいか、クラッチペダルの位置が微妙に変だったりする。欧米の左ハンドル車に乗ると、そういった細かい部分で「本場の味」を感じられるメリットが今もなおあるといえるのだ。

 あとは、大型のSUVなど、着位置が高くて全幅がワイドなクルマでは、意外と左ハンドルのほうが日本の街で乗りやすい面もある。たとえば、ハマーH2。左ハンドルなので左側には寄せやすいため、全幅が2.2m近くもあるわりには巨体を持て余さない。

 ハマーH2よりひと回り小さなハマーH3には右ハンドル仕様も設定されたが、H2よりは小さいとはいえ全幅は2m弱あるので、ボディの左側の感覚がわかりにくく、より巨大なH2より扱いにくさを感じる場面も。巨体のクルマは左ハンドルのほうが意外と日本の道で扱いやすくなるという一面がある。

また、大型のSUVは着座位置が高いので、左ハンドル最大のデメリットのひとつである右折時や追い越し時の対向車線の確認のしにくさが多少は解消されるという点も見逃せない。リセール面では、左ハンドルのステイタス性もかつてよりはかなり薄れたとはいえ、やはり今でも富裕層向けの高額モデルでは左ハンドル車の相場の方がより高めに推移している傾向が続いている。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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