【2017ドリフトマッスル第5戦】台風直撃の最終戦日光で前田翼が自身初のタイトル獲得!

降りしきる雨のなかで村山悌啓がスーパーマッスル初優勝

 立ち上げから7年目でその名称を取りやめることとなったドリフトマッスルが最終戦を迎えた。その2017シーズンの第5戦は、10月28日(土)~29日(日)の2日間の日程で、栃木県日光市にある日光サーキットで開催された。
今シーズンは非常に多くのエントリーに恵まれているドリフトマッスルだが、今回も、マッスルクラスで30台、スーパーマッスルクラスで29台と、そのエントリー台数は多い。また、マッスルクラス、スーパーマッスルクラスへの進出を目論むものが集まる走行セッション、マッスルチャレンジでも、ビギナークラスに26台、エキスパートクラスに26台とこれまた参加台数の多い一戦となった。

土曜に予選および決勝追走トーナメントが行われるマッスルクラス、そして日曜日のスーパーマッスルクラス予選および決勝追走トーナメントというスケジュールだが、大型の台風22号の接近もあって、土曜の午後から降り出した雨は降りやむことはなかった。

全長1.1km、12個のコーナーを持つ日光サーキット。ドリフトマッスルでは、バックストレートをスタート地点とし、10コーナーを経て、11コーナーからドリフトを開始、ホームストレートでは進入速度を計測。その後4コーナーを抜けるまでが審査区間となる。審査員席は1コーナーの外側に設けられるが、死角となる最終コーナー側にはカメラも用意されており、審査区間のすべての様子を審査される。

 走行セッション前にブリーフィングが行われており、各クラスによって審査のレベルは異なるが、土屋圭市審判員長から直接審査の内容が伝えられ、各選手はその審査課題をクリアしていくことになる。

28日(土)に開催となったマッスルクラスでは、チャンピオン候補の5選手の最後の争いが繰り広げられるはずだった。しかし、予選を終えてみると、ランキング3番手の齋藤 航選手(#25 Saito rollcage & Yaguchi auto/S13)が、予選で失敗し決勝へコマを進めることができず、タイトル争いから脱落。米内寿斗選手(#83 ガレージTSR 180SX/RPS13)もポイントが足りず予選は通過したものの同じくタイトル争いから脱落となった。

雨が落ちてきてからの走行となった決勝追走でも、ポイント争いップで、この日の予選もトップ通過だった斎藤久史選手(#51 mature with 宮精機/RPS13)がベスト8で富田現史選手(#85 Pierrot with SUNYOU ER34/ER34)に敗れ、加藤 諒選手(#81 MJ シルビア/S14)も同じくベスト8で姿を消す。そして、この雨の難しい日光戦を制したのは、ランキング5番手だった米内寿斗選手。この優勝で米内選手はランキングを3位に上げることに成功した。そしてマッスルクラスのタイトルはこの日2位に入った野島卓弥選手(#31 B-style サバビア/S13)がその手中に収めることとなった。

 続く29日(日)は台風がより接近し、雨風共に前日よりも厳しくなった1日となった。スーパーマッスルクラスでは、3名によるタイトル争いは、前田翼選手(#74 ZESTINO オディエイティー/RPS13)、箕輪慎治選手(#23 HEY!MAN ツアラー/JZX90)、大金良隆選手(#7 MAD FACE FD3S/FD3S)の3名に絞られていたが、箕輪選手は欠場しており、前田選手と大金選手との一騎打ちとなるわけだが、ポイント差は23ポイントもあって、ドリフトマッスルでは1戦で最大26ポイント獲得できるが、決勝へ進出すればポイントを獲得できるため、大金選手にとっては非常に厳しい状況。前田選手は予選を通過し、ベスト8へ進出すればその時点でタイトル確定という、タイトルをほぼ手中に収めた状態での最終戦となったわけだ。

予選単走も決勝追走も、ヘビーウエットでの走行ということもあって、やはりベテラン勢、そして雨に強いといわれている選手が頭角を現してくる。約半数が予選落ちし、決勝に進んだ中には、もちろんタイトル争いを繰り広げる前田大金の両選手もいたのだが、大金選手は、決勝1回戦で、髙嶋健市選手(#867 伊藤オートチェイサー/JZX100)に合わせきれずに追突し、ここで姿を消し、タイトルの夢も消えてしまう。一方の前田選手は、最上弦毅選手(#813 日比野塾 ZESTINO Proμ 180SX/RPS13)との追走でしっかりと最上選手を引き離してベスト8へ進出し、タイトルを確定した。しかし、その勝ち進んだ2回戦では、ウエット路面でのテクニックはもちろん速さもある「雨の平岡」の異名をとる平岡英郎選手(#777 MAD FACE FD3S/FD3S)が相手。ここで新チャンピオンは破れてしまう。

そして、平岡選手と、別のラダーからは村山悌啓選手(#14 激☆滑走団 DUNLOP シルビア)の2名が準決勝へ勝ち上がってきた。
平岡選手が先行での追走では、村山選手が最終コーナーでプッシング。速い平岡選手に離されないようにと間隔を詰めるのだが、平岡選手にとってはこの日3回目のプッシングということもあって、「熱くなってしまった」その平岡選手が後追いでシフトミスをして、優勝は村山選手の手に。村山選手にとってはスーパーマッスルクラスで初めての優勝となった。

来シーズンについてはドリフトマッスルの名称変更は予定通りであるものの現在まだ最終的な発表ができないとしており、この場での来シーズンの詳細は発表されないまま。ただ、来シーズンは6戦のシリーズ戦にエキシビションのレースが1戦というスケジュールになりそうだという。スーパーマッスルクラスでは新たに富士スピードウェイが加わる予定のようだ。まもなくアナウンスがあるということだ。正式発表を待ちたい。


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