【試乗】新型ロータス3台一気乗り! 鈴鹿サーキットで見せた超絶進化とは

前モデルからの徹底した軽量化は効果絶大

 鈴鹿F1GPサーキットをロータスで攻める!! エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ、ロータスの最新にして最強モデルの鈴鹿試乗が叶う。喜び勇んで向かった鈴鹿は、前日の台風の影響で地盤が緩み、コースサイドのガードレールの一部が倒れたため、コース上に問題はないが、安全性の見知からフルコースの使用は不可能となっていた。

ロータス

 東コース、つまりグランドスタンドから第一コーナー、S字を抜け、ダンロップコーナーを左に登る途中で鋭角に右に旋回してスタンド前に戻る東ショートコースが走行の舞台に変わる。正直、残念だが、それでも日常の公道ではグリップ限界まで攻め込む事が難しいミドシップ・ロータスの”現状の”ハンドリングとスタビリティの限界を探るのにいいチャンスだと思った。

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 まずは878kgの車体に220馬力/250N・mを誇る4気筒1.8リッタースーパーチャージャーを搭載する「エリーゼ・スプリント220」から試乗する。

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 そのエンジンパフォーマンスは0-100km/hを4.5秒で押し出し、そのまま小気味良くシフトアップし豪快に加速を続けると最高速は233km/hまで達する実力の持ち主だ。

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 バケットシートのほかにロールフープやエンジンフードをカーボンコンポジットに変えている。ボディ上面の軽量化により重心バランスを最適化し、同時にリヤウインドウも軽量高強度のポリカーボネイトにしてやはり上屋の重量物を軽減。エリーゼ スポーツ220 フェイズ1に対して36kgを削ぎ落とす。元々軽い車体であるから、わずか36kgでもその効果は絶大である。

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 ハンドリングは手首の返しのみで曲がれる、軽快でクイックな動きがエリーゼの持ち味。ま、そこは従来と変わらない。変わったのはスタビリティの高さである。たとえばS字の切り返し等、左右に荷重移動した際の安定性が改善されている。

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 それは旋回中のアクセルのオン・オフで発生するタックイン現象によるオーバーステア傾向が劇的に抑え込まれているという意味だ。

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 ボディ外側をグッと沈み込ませ、内側の浮き上がり感が少ないロール姿勢。とはいえ、そのまま強引にアクセルを踏み続けると、オーバーステアは発生する。”瞬時にカウンターステアを当て瞬時に戻す”操作は必要で、適切なタイミングであればそれで安定姿勢を回復。遅れた場合は駆動トルクを増加するアクセルコントロールも必要で、そこがショートホイールベースのエリーゼらしい挙動であり個性であり楽しさである。

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「エキシージ・スポーツ380」は走行モードをノーマルからスポーツモードに変えて、ピットロードを加速し始めた瞬間からレーシングマシンそのものの荒々しい息吹が伝わる。

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 3.5リッターV型6気筒+スーパーチャージャーは、ブースト圧のアップにより、30馬力引き上げられた、文字どおり380馬力のパワーと、410N・mのトルクを1110kgの軽量シャシーにミドシップマウント。有り余るエンジンパフォーマンスをドライバーがどうコントロールするか、そのすべてにダイレクトな動きが素晴らしい。

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 パワーアシストのないダイレクトなステアリングは、直進状態から舵角を与えて行く際の操舵力の変化に路面との接地感の変化と、曲がる感触が直に感じ取れる。そこにはフロントのリップスポイラーと共に左右2枚の強い向かえ角を持つカナードウイングを含む空力効果も見逃せない。第1〜第2コーナーのノーズの入り込み、S字からダンロップを登り、鋭角に右に切り込む際のクイックな応答性も空力のアシストがサーキットだからこそより明確に感じ取れる。

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 やはりカーボンファイバー素材の多用と、ガラスのポリカーボネイト化。リチウムイオンバッテリーと鍛造ホイール、ブレーキディスクにテールランプの変更で30.2kgの贅肉を削ぎ落とした1110kgから、0-100km/hは6速MTにもかかわらず3.7秒と、まさに手動変速のロスタイムを考えると”本物の”速さの持ち主である。最高速は286km/hまで伸びる。

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 ハンドリングは新たに履いた浅溝タイヤのミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2が好印象。高い車速のままでも自在に曲がる特性に磨きがかかる。とくにS字の速さは特筆もので、旋回中に走行ラインを変えることに造作ない、自由度の高さを示す。その分、乗員は横Gの高さに耐える必要があることも、ロータスの世界感だ。

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 そして「エヴォーラ・スポーツ410」。

 久々にエヴォーラに試乗してその進化度合に驚かされたのがこのモデル。もともとプラス2の一応の4シーターから、このスポーツ410では後席を廃止し、2シーター化したことも関係するのか、ロータス流ラグジュアリースポーツも個性の大変革を向かえた。

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 やはりカーボンその他を使い分けて70kgもの驚くべき軽量化に成功。それでも車重は1325kgだが、416馬力/420N・mの3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーによるパワーウエイトレシオは3.23kg/ps。その威力と、その滑らかなストローク感と言える乗り味の絶妙なチューンのバランス感覚に拍手喝采である。

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 試乗車は6速MTだが、この乗り味を含む雰囲気に対して、個人的にはロータスと言えども6速ATを選びたい。滑らかに速く安定しているから、変速も手漕ぎの煩わしさは不釣り合いだと思うのだ。

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 素晴らしいことは極めて軽快なハンドリングである。そこにはロータス唯一のパワーステアリングを採用の存在も大きい。細かくみればオーバーサーボ感はある。軽く切れ過ぎるのだが、それはより忠実に反応する、ということの裏返し。ま、そこはロータスに乗ろうと思うドライビングスキルをお持ちの方はすぐに慣れるハズ。

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 切り過ぎだ、と感じさせる要因にタイヤのグリップレベルの高さもある。ステア操作した微少舵角はもちろん、大舵角までフロントからコーナーのインに巻込むような挙動を示す。ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2が持つ運動特性がそうさせるのだが、もちろん不安定ではなく、軽いパワステに対して操縦者が切り過ぎてしまうため。

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 そこでリヤが安定した駆動力を一滴の無駄もなく供給するから、ずばり速い!! 乗り味滑らかな「410」が、鈴鹿・東コースを59秒台で周回する。そのタイムはエキシージ・スポーツ380に匹敵する速さだ。

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 実際0-100km/hは4.2秒(6速AT:4.1秒)。ダウンフォースは32kg増加してもドラッグは増さず最高速は305km/h(6速AT:280km/h)。東コースのラップタイムも納得できるスペックだ。

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 唯一、シートの座面があまりにも前下がりな角度で固定されている点は最後まで馴染めないが、汗をかかずに「380」と同レベルの運動性能を確立している点と、ラグジュアリーさの融合を高く評価したい。

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