ホンダ「Urban EV Concept」がスポーツイメージの「初代シビック」をモチーフにした理由とは?

世界で初めてマスキー法をクリアしたクルマ

 東京モーターショーでジャパンプレミアとなった、ホンダの量産EV車のスタディモデルである「Urban EV Concept」は新開発のEV専用プラットフォームを採用。都市の移動に適したコンパクトなボディには、HondaスモールカーのDNAである”キビキビした走りの楽しさ”と、”愛着を感じる親しみやすさ”をシンプルかつアイコニックに表現したとアナウンスされた。東京モーターショー

 9月に行われたフランクフルトモーターショーで初披露された同車は、丸目のヘッドライトやリヤウインドウなどに初代シビックのモチーフがちりばめられていることでも話題になったが、日本国内では「シビックといえば、ホットハッチ」、「なぜEVにシビックのモチーフなんだ」という意見も聞かれた。

 そもそもホンダ(を含む自動車メーカー)が今回のモーターショーでEV車を多くアピールしていたのには、北米や欧州でEV車の販売比率やCO2排出量での規制ができつつあることに原因がある。この規制をクリアできなかった場合は罰金が課されるということもあり、企業イメージの悪化も懸念して膨大なコストを投じてもEV車の新規プラットフォーム作りに勤しんでいるというわけなのだ。

 では、なぜホンダの新しいEVにシビックのモチーフが? という話に戻すと、日本ではホットハッチのイメージが強いシビックだが、海外では”世界で初めてマスキー法をクリアしたクルマ”というイメージが強いのだ。マスキー法とは、当時世界一厳しく、パスすることは不可能とまで言われた米国の排気ガス規制法であり、それをクリアしたシビックは排出ガスのクリーンな環境に優しいクルマとして知られているのである。

 もちろん、シビックは海外でもホットハッチとしても人気があることは紛れもない事実であるが、じつは環境に優しいクルマというイメージも併せ持っていることを覚えておいて損はないだろう。

 なお、Urban EV Conceptベースにした量産EVを2019年に欧州にて発売することがすでに発表されており、日本での発売も予定されているようだ。このデザインがどのくらい市販車に反映されるのか、楽しみに待ちたいところだ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
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