エンジン始動後すぐの走行はクルマに厳しい! 現代流の3分間暖機のススメ

長くコンディションを維持している人は暖機を行っている

 環境のことを考えるとアイドリングや暖機は今や御法度だ。ただし、暖機に関してはクルマにとって悪いかというと、一概にはそうとも言えない。旧車オーナーの取材で長く乗り続けている年配の方に聞くと、皆さん口を揃えて「暖機は必ずする」とおっしゃる。暖機とはエンジンを暖めて、各部にオイルを回し、さらにエンジン自体が熱で膨張させて、正規のクリアランスにするといった効果がある。暖機運転

 このオイルを回したり熱で膨張させたりというのは、今のクルマでもじつは必要なこと。精度や材質が良くなったことで、最終的に不具合が出ないのでやらなくても問題はないが、環境問題は別として機械である以上は多かれ少なかれ暖機は必要だ。だから暖機はしたほうが、今のクルマでも好調を長く維持できる可能性は高まる。

 ただし、現代流の暖機というものがある。それがエンジンをかけてから、数分だけ待つというもの。数分あれば、下に落ちていたオイルが回り、軽くではあるがエンジンに熱が入っていく。この状態で走り出すのでも、いきなり走り出すよりもずっとエンジンにいい。ちなみにオイルは1週間もすると、下に落ちてエンジン内部表面の油膜も切れてしまう。

 また環境問題という点ではいかに早く触媒を暖めるかがカギになってくる。走らない暖機ではなかなか触媒が温まらず、規定の浄化作用が出るまでに時間がかかってしまう。そういう意味でも止まっての暖機は3分ぐらいに止めておいて、あとはゆっくりと走り出すほうがいい。

 すぐに走り出してもダメ。止まったままずっと暖機しているのもダメ。この折衷である、3分ぐらい止まって、あとはゆっくりと走って水温計が上がる(もしくは警告灯が消える)までは全開を控えるというのが現代流の暖機だ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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