家族がいるからスポーツカーは……でも楽しいMT車に乗りたい人にオススメのクルマ7選 (2/2ページ)

ベースの素性がいいモデルなら適度なパワーでもMTを楽しめる

●ホンダ・シビック1.5リッターターボ

 昨年、日本市場で販売されるカタログモデルとしては7年振りに復活したことで、話題を集めたシビックはタイプRを含む5ドアハッチバックがイギリスからの輸入車、4ドアセダンが日本製となり、5ドアには6速MTも設定される。

 5ドアのMTは個性的な輸入車を求めるクルマ好き(5ドアのシビックは日本ブランドの輸入車であるが)が欲しがりそうな仕様ということもあり、予想外の人気を集めている。

 走りも土台のシッカリしたシビックのシャシーに182馬力という適度なパワーということで、公道で常識的な範囲でも楽しめるものな上、CARトップ本誌3月号の筑波サーキットでのテストではトヨタ86の約1秒落ちとなる1分11秒台というラップタイムを記録している。その速さは純粋なスポーツモデルではないけどスポーツモデル並だ! 家族と妥協しながら乗れるMT車として貴重な存在だ。

●スバル・フォレスター2.0i-L

 MTのSUVは今や希少な存在となっているなか、フォレスターには2リッターNAのみとなるがMTが設定される。

 フォレスターのMTにはスバルの基幹技術の1つとなっているアイサイトが付かないという欠点もあるが、NAエンジンをダイレクトに楽しめる点やMTだからこそできるワザを使いながら、雪道や悪路を楽しみながら走れるのは大きな魅力だ。

 またフォレスターは今年中のフルモデルチェンジが有力視されているが、現在インプレッサですらMTが設定されないことを考えると、次期フォレスターもCVTのみとなることも十分考えられるので、「最後のMTフォレスター」として検討する価値は大きい。

●スズキ・アルトの標準モデル

 軽自動車は「クラッチペダルがないATを含む2ペダル車の運転が不安」という高齢者層への対応もあり、普通のモデルでも意外にMTが設定されている。その中でアルトの標準モデルのMT車はファミリー向けというより、ローコストな通勤や通学用といった足に、移動の道具という使用が主になると思う。がしかし、それでもごく普通のエンジンながら610kg! という超軽量なクルマを、MTでクルマと対話しながら走らせるというのは普通に乗っていてもテンションが上がる楽しい作業だ。なおスズキの軽自動車の標準モデルにはワゴンRとハスラーにもMTが設定されている。

 このように新車の普通のクルマのMTという、ある意味スポーツモデルのMT以上にマニアックなモデルも探してみれば見つかるものである。最近のMT車は楽しさに加え、クラッチは軽い上にミート(つなぎ)もやりやすいことがほとんどで、坂道発進の際にはブレーキを使って後退を抑えてくれる「ヒルホールド」などと呼ばれる機能が付いていることも多く、ちょっと練習すればブランクがあっても、運転しにくいというケースは少ない。

 さらにMT車は希少価値で処分するときの査定が有利になるケースも多く、金銭的なメリットもある(クルマを所有した期間で収支決算すると、エコカー減税が適応にならない、途中クラッチの交換があることもあるなど、必ず得とも言い切れないが)。それだけに車種の制限はあるともしても、もしMT車に乗れる環境があるなら一度勇気を出して試してみることを強くすすめたい。


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