驚異の販売台数! 爆発的な大ヒットを記録した国産車3選

驚異の販売台数! 爆発的な大ヒットを記録した国産車3選

社内の反対を押し切って発売し大ヒットになったクルマも

1)初代ホンダ オデッセイ

 バブル崩壊後、日本ではセダンやクーペが先細りとなり、主役はSUVやミニバンなどのRV(レクリエーショナルビークル)となった。RVを持たないホンダは、国内販売が伸び悩んだ。慌てて企画したが、プラットフォームを新設計するにはベラボーなカネが必要となる。

 そこでアコードのプラットフォームやパワーユニットなどを使い、セダン派生のミニバンを開発した。これがオデッセイだ。ロールーフのミニバンだが、意地っ張りのホンダは「クリエイティブムーバー」の呼び名を使っている。生活を創造するマルチなクルマというわけだ。

販売記録を打ち立てたクルマ

 ライバルと比べると背が低い。ドアもセダンと同じヒンジドアとした。その理由はアコードの生産ラインを使い、設備投資を最小に抑えたかったからである。そのために背を高くできなかったし、スライドドアも使えなかった。だが、これが逆にセダンライクな味を醸し出し、人気となったのだ。

 キャビンは3列配置で、シートの間を通ってウォークスルーできるようにした。イメージしたのは、パーソナルジェットだ。快適な6人乗りを主役としたが、実際に売れたのは使い勝手位のいい7人乗りだった。GPSカーナビも時代に先駆けて採用している。

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 エンジンはアコードの2.2リッター直列4気筒SOHCだ。後期モデルではVTEC機構を追加した2.3リッターに進化する。また、3リッターV6も加わった。トランスミッションはコラムシフトの4速ATだ。4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションを採用し、懐が深く、しかも快適な走りを見せつけた。安全装備も、当時としては充実している。

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 苦しい時期に新しいジャンルのファミリーカーを開発したため、社内には抵抗勢力が多かった。当時のホンダは「走りが命だ」と考えている首脳陣が多かったのである。販売店も半信半疑だったが、ユーザーは賢い。

 オデッセイは1994年10月に発売を開始したが、アッと言う間にバックオーダーを抱えた。アダムスファミリーを使ったコマーシャルも人気となり、オデッセイは月販1万台を記録する。当時の3ナンバー車はクラウンが大多数を占めていた。しかしオデッセイはクラウンを抜き去り、普通車の首位を奪ったのである。95年は12万5000台を超える販売を記録し、ライバルを唖然とさせた。

2)初代スズキ ワゴンR

 1993年9月に産声をあげたワゴンRは、軽自動車のパッケージングに革命を起こし、ハイトワゴンの基本を作った小さな巨人である。軽自動車は限られたボディサイズだから最大級のキャビンスペースを実現するためには背を高くするしかない。そこで背を高くして1300mmを超える室内高を稼ぎ出した。アップライトパッケージによって大人4名が快適に座れる空間を手に入れ、後席でも気持ちよく座れるようにしている。

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 また、独立してリクライニングできる後席は、ワンタッチで前に倒すことができた。簡単にラゲッジスペースを広げることができ、長尺物も難なく飲み込む。使い勝手のよさと機能性の高さも上級のリッターカーを大きく超えていたのである。ちなみに最初のワゴンRは、前席が左右2枚、後席は助手席側に1枚のヒンジドアだった。が、途中で後席も2枚ドアになり、利便性を大きく高めている。

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 メカニズムのベースとなっているのは、セルボモードとアルトだ。エンジンはF6型直列3気筒で、SOHCのほか、のちにDOHCも設定する。そして両エンジンにターボ搭載車を追加。デビュー時の主役は、コラムシフトの3速ATだ。サスペンションはアルトと同じストラットとアイソレーテッドトレーリングリンクの組み合わせである。

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 ワゴンRは発売されるや爆発的に売れ、日本の景色を変えてしまった。当初の予定は月産4000台だったが、アッという間にバックオーダーを抱え、増産に次ぐ増産を繰り返している。それでも追いつかず、工場を新設したのだから驚くしかない。ミニバンを軽自動車のサイズにスケールダウンしたような高効率パッケージングのワゴンRは、発売から丸3年で累計販売台数50万台の偉業を達成。一度も首位の座を明け渡すことなく2代目にバトンを託している。

3)初代マツダ ロードスター

 マツダは魅力的なスポーツカーを数多く生み出している。そのなかで、もっとも強い衝撃を与えたのは、1989年夏に登場したオープンスポーツカーの「ロードスター」だろう。新設定したユーノス・チャネルのイメージリーダーとして発売され、センセーションを巻き起こした。クルマ好き、走りの楽しさにこだわるエンジニアを選んで開発を進め、パワーではなく、楽しさを基準にクルマづくりを進めている。

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 だからロータリーではなく、ファミリアが使っている1.6リッターの直列4気筒DOHCエンジンを選んだ。しかもレギュラーガソリン仕様と割り切った。5速のトランスミッションはルーチェのものを流用している。駆動方式は、多くの人が楽しめる後輪駆動のFRだ。軽量コンパクト設計のライトウエイト・スポーツカーに仕立てるため、プラットフォームやサスペンションなどは新設計とした。サスペンションは、4輪ともダブルウイッシュボーンの4輪独立懸架だ。

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「人馬一体の楽しいライトウエイト・オープン」をテーマに掲げたロードスターは、価格も衝撃的だった。170万円台からのリーズナブルな価格設定としたから、クルマ好きのベテランだけでなく若いユーザー層にも手が届く存在だったのである。初代のNA型ロードスター(海外はMX-5ミアータ)は世界中で引っ張りダコとなった。8年間に43万台を超える販売台数を記録し、オープンスポーツカーの歴史を大きく変えている。ロードスターに刺激を受け、世界中にスポーツカーブームが巻き起こった。自動車史に残る偉大なオープンスポーツカーだ。

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