選ばれたクルマだけが採用! 歴史に残る国産ミッドシップ車3選

運動性能に優れるがスペース効率で厳しいレイアウト

 スーパーカーなど、ハイパフォーマンスカーを中心に採用されているミッドシップレイアウト。重量物であるエンジンを車体の中心に配することで、運動性能を向上させることができるという利点があるからこそ採用されているのだが、スペースを取るエンジンを車体の中央に置くためにスペース効率は大きく失われてしまう。そのため、どんなクルマにも採用できるレイアウトではないともいえる。今回はそんな選ばれた車両のみが採用を許されたミッドシップレイアウトの日本車をご紹介したい。

1)トヨタMR2

 日本車でミッドシップレイアウトという話題をする上で、絶対に外すことができないのがこのMR2だろう。日本車初の市販車ミッドシップ車として1984年に登場した同車は、当時のカローラのコンポーネントを前後逆に搭載することでコストを抑えながらも、MRらしいシャープなハンドリングで人気を集めた。

 1989年には2代目へと進化。今度はセリカ系のコンポーネントを流用し、車格もパワーも大幅にアップ。初期型は「危ないクルマ」の烙印を押されていたが、改良を重ねるごとに進化を果たし、最終型は別のクルマと思えるほどの変貌を果たしている。なお「MR-2」と誤植されることが多いが、正式名称は「MR2」でありハイフンは入らないので注意。

2)ホンダNSX

 先ほどのMR2が日本初の市販ミッドシップ車というなら、日本初の市販スーパーカーといえるのが1990年にデビューしたNSXだ。デビュー当時の800万円という価格もさることながら、ノンターボ3リッターエンジンで8000rpmを許容するC30A型エンジンやオールアルミボディなど、それまでの日本車の概念を覆すほどの意欲作だった。

 初代NSXは途中幾度も大きな改良を加えながら、2006年まで16年もの長きにわたって生産が続けられ、2代目が登場した現在でもそのポテンシャルは一級品のまま。いまだに多くのファンを魅了し続けているのも納得の完成度といえる。

3)ホンダS660

 スーパーカーに採用例が多い、と冒頭で話したミッドシップ車だが、日本独自の規格である軽自動車にもミッドシップ車は多く存在している。これはそもそもコンパクトなボディな軽自動車には4人でフル乗車することも少なく、2シーターと割り切っても不満が出る可能性が低いこと。そしてセカンドカーとしての需要が高いことが理由として挙げられるだろう。

 過去にもホンダ・ビートやオートザム(マツダ)・AZ-1など、ミッドシップ軽が登場してきたが、ここは現行車種であるS660を推していきたい。エンジンこそNシリーズにも搭載されるS07A型だが、完全新設計のシャシーやアルミダイキャストのリヤサブフレームを採用。軽自動車としては唯一の6速MTを設定するなど量販が見込めないスポーツカーにもかかわらず、かなり豪華な作りとなっているのだ。

それでいて車両価格は200万以下〜と大バーゲン価格といえる。きっと近い未来にはビートやAZ-1と同じく伝説的な軽自動車となっているはずだ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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