触ればわかる高級感! マツダアテンザがオーナーを悩ませるほどの大幅改良を実施

微に入り細を穿つ徹底的な質感へのこだわり

「そのときの最新・最良の技術を取り入れる」という思いのもと、つねに最新へのアップデートを続けるマツダ。今回、フラッグシップモデルに位置づけられるアテンザも待望の大幅改良を行なった。

 エクステリアは写真のとおり、フロントグリルやバンパー、ヘッドライトをリファインし、全体的にエレガントさを強調。LEDウインカー採用など時流に合わせた。

 リヤスタイルはセダンが大きく変わり、これまで好評のワゴンはバンパー形状が少し変更された程度だ。ホイールデザインは17インチ、18インチともに意匠変更され、新開発のタイヤ(ブリヂストン・トランザT005A)が採用されたのもニュース。トレッド部分はしっかり、サイド部分をしなやかな特性とし、乗り心地と操安性、さらに静粛性を高めたタイヤとなっている。走りの質感を大きくグレードアップするために大きな役割を担っているという。

 インテリアは基本的なデザイン要素こそ引き継くが、細部の仕立てや各部の意匠は大きく変更された。トリムやインパネの合わせ、コンソールの継ぎ目をなくすなど、細部の精緻感を作り込むことで質感は大幅に向上。スイッチの形状変更やインパネ上面をスッキリさせる(=映り込み低減)など、単にデザイン的な要素だけでなく、機能につながる配慮がなされた。

 上級グレードのLパッケージには肌触りバツグンのウルトラスエードヌーや本杢パネル、ナッパレザーなど、素材にこだわることで高級感を演出。新色のブラウン内装は赤みを抑えてツヤや深みを追求したカラーで、寺院などにあるしっかり手入れされた旧く歴史ある木材をイメージしたものだという。

 マツダでは「五感で感じる不快要素を低減→心の余裕を与える→走る歓びにつながる」とし、徹底した作り込み・改善を行なっているのも特徴。メーターやセンターディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(アクティブ・ドライビング・ディスプレイ)の見やすさ&わかりやすさも進化していおり、ドライビングでの疲労低減や運転のしやすさ向上につながった。運転環境を整え、より運転する楽しさ、上質な運転空間を演出するとしている。

 また、コンソールのニーパッドのサイズや素材を見直すことで横剛性を50%アップさせ、膝が当たっても質感の高さを感じられる(触感)。さらにはグローブボックスの開閉感やエアコンルーバーの操作感にもこだわった(触感・聴覚)。目で見える質感向上のほかにもこのような細部のこだわりによって、五感での上質を追求している。

 シートも形状から見直し、フィット性や支持性、乗り心地を向上。骨盤を安定させ、脊椎が自然なS字カーブとなるよう設計された。これはリヤシートも同じで、全席で快適性を高めているのが特徴だ。また、フロントシートにベンチレーション機能が備わったのも新しい。

 安全装備については、自動ブレーキ機能に夜間歩行者検知機能が追加されたほか、ACCは全車速追従となるなど最新仕様へ進化されている。オートハイビームの機能向上や360度ビューモニターの採用などもトピック。

 エンジンは3機種とも最新仕様となり、2.5リッターガソリンは気筒休止付きに、2.2リッターディーゼルは出力&トルクが向上している。じつは車重が60kgほど増えており、モード燃費は全グレードで少し下がってしまっている。しかし新エンジンの搭載で性能はグレードアップしているし、実燃費はそれほど変化はなさそうだ。税制優遇などは変わりなく受けられるという。

 走りについても大きなアップデートが加えられており、サス構造の一新、遮音・吸音の強化、車両応答性の最適化など多岐におよぶ。とくに静粛性の向上に注力しており、従来から力を入れていた遮音に加え、CX-8やCX-9で取り入れた吸音技術をさらに高めた。各部の素材見直しも行なわれ、サスペンションのトップマウントにウレタン材を採用し減衰性をアップ。さらに天井(トップシーリング)にも吸音に優れるウレタンを採用するなど、新しい素材を取り入れているのも注目だ。

 走りの違いは追ってリポートするとして、マツダのフラッグシップモデルとして質感を大きく向上したアテンザ。いいクルマ作りユーザーに伝えるという、マツダの熱い志を五感で感じられるモデルとなっている。


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