日本車なのに日本人が知らない日本未導入の個性派クルマ5選

日本導入を切望されるモデルもある

 日本車といっても、それが日系ブランドを指す場合、必ずしも国内生産しているとは限らない。運搬コストを抑えるために市場近くで作ること、関税に有利なように現地生産を進めることは、もはや常識中の常識。そして世界中で売れるようなグローバルモデルが求められるが、世界中のニーズを一台で満たすことは難しく、現実的には各国の市場に合わせたモデルが必要となっている。もちろん日本市場も、そうしたマーケットのひとつだ。海外のみで販売している日本車

 逆にいえば、グローバル展開しているモデルの中には日本のニーズを満たしていないために、国内販売がされていないモデルもある。そこで、日本車(前述のように日系ブランドの意)が世界各地のニーズに応えた海外専売モデルの中から、日本では売らないであろう5つの個性派モデルを紹介しよう。

1)スズキ・エルティガ

 インドとインドネシアで生産・販売をしている7人乗りのMPV。前後ヒンジドアの3列シート(7人乗り)モデルだ。2018年に新プラットフォームにより全面改良されたモデルには、目力の強いヘッドライトやシャープなキャラクターラインが与えられている。エンジンは1.5リッターガソリン4気筒を積む。

2)ダットサン・ゴー

 2013年に復活した「ダットサン」ブランドは、日産の原点ともいえる名前。北米などでフェアレディZが「ダッツン・ゼット」と呼ばれ、愛されていたという話を聞いたこともあるだろう。現在の「ダットサン」は新興国市場向けのアフォーダブルな商品向けのブランド。その象徴といえる「GO」は今年マイナーチェンジを受け、さらに進化した。

3)ホンダ・アメイズ

 2018年のデリーオートエキスポ(インド)にて世界初公開されたホンダ「AMAZE(アメイズ)」。今年度中にインドでの発売が予定されている全長4m以下のコンパクトセダンだ。エンジンは1.2リッターガソリンと1.5リッターディーゼル、それぞれに5速MTとCVTを用意する。シビックとのつながりを感じさせる“ホンダ顔”も印象的だ。

4)トヨタ・ヤリスiA

 トヨタらしからぬ骨格を感じさせる「ヤリスiA」は北米で販売しているコンパクトセダン。ヘッドライトなどから想像できるかもしれないが、その中身はマツダ2(デミオ)で、メキシコで生産され、トヨタ向けにOEM供給されているモデルだ。

 もともとは「サイオン」ブランドで展開されていたが、「サイオン」ブランドの廃止によりトヨタ・ブランドに変わったという経緯があるというのも一部のマニアには刺さるポイントでは?

5)いすゞ・パンサー

 日本では乗用モデルから撤退したいすゞだが、東南アジア市場ではピックアップトラックの「D-MAX」、SUVの「mu-X」を販売、東京モーターショーなどで展示するたびに、日本での販売を望む声が上がっているのは知られているところ。

 この「パンサー」はインドネシア専売モデルとなる10人乗りのMPV。2004年に誕生したロングセラーモデルだ。エンジンは2.5リッターディーゼルで、自然吸気版とターボ版の2種類を設定する。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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