サーキットを存分に走れるTOYOTA GAZOO Racingが開発した本気のエンジンオイル誕生

モータースポーツを楽しむためにトヨタ自動車が本気で開発!

 トヨタ自動車は、高性能な純正オイルとしてキャッスルオイル(0W-20/0W-16)を展開している。ただし純正キャッスルオイルは、一般道を普通に走ることを前提に開発されたもので、重視しているのは耐久性や燃費性能。スポーツ走行を重視した性能を狙っていたものではなかった。

 昨年GRブランドというスポーツ仕様のクルマを11台も投入したトヨタ自動車としては、サーキットを走ることを狙ったクルマは発表したものの、その走行にマッチするオイルは純正で持っていなかったのである。

 もちろん、市販されているスポーツオイルは数多くあるわけで、あえてトヨタ純正スポーツオイルを投入する意味があるのか? という疑問が残るところなのだが、純正キャッスルオイルに慣れている人たちに、サーキットを走るときは社外品を使用してくださいというのは、いささか残念な感じになってしまう。

「トヨタ自動車は、オイル開発の部署があり、ニュルブルクリンク24時間レースで得たデータをもっています。そういうノウハウを活かして、サーキットを速く楽しく走ることができるオイルを作りたかったんです」という、トヨタ自動車・部品事業部の平野圭介さん(右)。「オイルは、低温になるほど固くなり、高温になるほど粘度が低下するという性質があります。GRモーターオイルは、オイルの温度が変化しても粘度が変わりにくい性能を持っています。常温から流動性が高く、高温になってもしっかりと油膜が維持されるオイルです」という、エンジン設計部の平野聡伺さん(左)

 ベースオイルは常温から流動性が高く高性能な「Group3+」を使用。これに最新ポリマー技術とモリブデン化合物を含む摩擦調整剤(FM)を最適配合。これにより、ハイレスポンスを実感できる低フリクションを実現。机上の理論やシミュレーションだけでなく、実際にモータースポーツ参戦ユーザーに協力してもらい、タイム計測や油温/油圧の測定による性能確認や走行後に抜いたオイルの成分分析によるダメージチェック。さらに市販車開発で使われるエンジンベンチを使った高速・高負荷連続耐久試験を行うなど、“トヨタ純正”としての信頼性確保に関しても抜かりない。

 今回は純正キャッスルオイルとGRモーターオイルを、86とヴィッツGRに投入して乗り比べた。当然どちらも新品オイルを入れて比較したのだが、入れ換えてすぐエンジン音に違いが現れた。どちらも静かなことに変わりないのだが、GRモーターオイルを入れたらシュンシュンと、より軽快な音がするようになった。フリクションロスが減っているわけだから、音が変わるというのはある意味当然なのだが、非常に心地よい音に変わったので、走りに対する期待は自然と膨らんだ。

 まったく同じコースを同じように走ってみたのだが、GRモーターオイルの方が高回転域の伸びが良く、明らかに加速感に違いを感じることができた。ロガーで計ったわけではないので明確にどこでということが言えないのがもどかしいのだが、新品から新品に交換して、違いを体感できるほどの違いがあったのだ。もし、サーキットでタイム計測などを行ったとしたなら、GRモーターオイルを入れたほうが速く走れることができたであろう。

 GRというスポーツカーブランドを後押しする、頼れるアイテムが投入された。このオイルはGR車両はもちろん、スポーツ走行を楽しむ方でオイル選びに悩んでいる人には、ぜひとも試していただきたいオイルである。

商品概要

TOYOTA GAZOO Racing

GR MOTOR OIL
Circuit“0W-20” 1万2,000円(4L)
Touring“0W-30”  8,000円(4L)

■全国のトヨタ販売店や自動車用品店などで購入できます。


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