クルマを実際に走らせるとカタログに記載されている「燃費」が出ないワケ

クルマを実際に走らせるとカタログに記載されている「燃費」が出ないワケ

カタログ表記の燃費測定はそもそも交通状況が理想的な状況

 燃費に対する市場の期待や視線が強まり、カタログ表記をするための燃費測定方法が、JC08モードからWLTCへ転換が進んでいる。とはいえ、カタログ数値と実走行燃費の差が縮みこそすれ、一致することは難しいだろう。その理由は、大きくふたつある。

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 まず、JC08モードにしてもWLTCにしても、エアコンは使用しない状態でのモード測定となっている。理由は、必ずしも世界で販売される新車のすべてがエアコンを備えているわけではないからだ。最低の装備に基準を求めなければ、ほかと比較して性能の優劣をはかることはできない。

 実体験からも想像がつくかもしれないが、エアコンを稼働させると、エンジンからベルト駆動されるコンプレッサーが回る。これがエンジン出力の一部を奪うので、当然それは走行に関わらない燃料消費となるため、燃費は悪化する。エンジン車では、冬は暖房にエンジン冷却水の暖められた温度を使えるが、夏はコンプレッサーを稼働して冷房を行うので夏に燃費は悪化する傾向だ。

 電気自動車(EV)の場合は、逆にエンジンのような熱源がないので、冬の暖房で燃費(電力消費)が悪化する傾向になる。そのように、エアコンの有無や、それを使うかどうかによってカタログ燃費と実燃費には差が出てくる。

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 次に、かなりの影響力を持つのが運転の仕方だ。モード燃費を測定する人は、できるだけよい燃費数値が出るよう走行モードに合わせて慎重に、また的確にアクセル操作を行いカタログ燃費を達成する。

 一方、実際の交通の流れのなかでは、そもそもモード通りの運転状況になることが珍しく、信号が多く発進・停止が繰り返されれば燃費は悪化し、逆に流れのよいときには発進・停止回数が減って燃費がよくなる傾向になる。つまりそういう幅があるのだ。また、周囲のクルマとの関連で、急加速しなければならなかったり、急減速しなければならなかったりするので、アクセル操作やブレーキ操作を穏やかには行えないときがある。急減速そのものは燃費に関係なくても、速度が大きく落ちる分、そのあと速度を復帰させるためアクセルを強めに踏むことになるだろう。燃費画像はこちら

 そうした交通状況とは別に、個人個人の普段の運転操作の丁寧さによっても燃費は大きく上下に振れる。一般的に、アクセルのオン・オフを必要以上に繰り返す人が多い。また、燃費運転として「ふわっとアクセル」と言われるが、極端にそっとアクセルペダルを踏んだのでは加速が悪いし、周囲のクルマに迷惑をかけることになる。燃費画像はこちら

 燃費向上効果のあるアクセル操作は、AT車の場合、発進の際はクリープで動き出すのを利用し、タイヤがひと転がりしたあたりでやや強めにアクセルペダルを踏み、しっかり加速させる。そのあと、目指す速度に到達する前に緩めはじめ、流れに速度を合わせるとよい。

 一般的に、いつまでもアクセルペダルを強く踏みすぎて、流れより速くなってしまって減速し、再び加速するという運転をする傾向があり、それでは燃費はよくならない。燃費画像はこちら

 また、運転中は遠くを見るようにし、クルマの流れの変化を早めに掴み、事前に少しずつ速度調整をする運転を心がけると燃費は向上する。じつは、運転の仕方で実燃費はかなり変わるのだ。燃費画像はこちら

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