雨の富士スピードウェイを100台のFが疾走! レクサスFドライビングレッスンに密着

Fの仲間と楽しむアットホームな雰囲気が素晴らしい!

 走る楽しさや喜びを際立たせたモデルとして、世界中のファンを魅了しているレクサスFシリーズ。IS Fからスタートしたこのプレミアムスポーツは、現在クーペのRC F、セダンのGS Fの2台がラインアップされている。このスポーツモデルの潜在能力を存分に引き出し、走る楽しさを満喫するために、富士スピードウェイが2009年よりドライビングレッスンを開催している。9月29日に開催された、10周年20回目の記念イベントを取材した模様をリポートしよう。

 このドライビングレッスンは、元々2008年に、IS Fの納車待ちとなっているオーナー予備軍に対し、IS Fの魅力を存分に体感してもらうためのイベントとしてスタート。2009年からは富士スピードウェイ主催のイベントとして継続し、今年で記念すべき20回目を迎えたのだ。

 開催当日は台風接近の影響もあり、生憎のレインコンディション。にも関わらず、北は北海道、南は鹿児島から、レクサスF開発の場である聖地富士スピードウェイに80台以上の参加者が集結。

 今回の講師陣は、12回も講師を務めるモータージャーナリストの五味康隆さんと、初参加の藤島知子さんのほか、Fモデルの開発を務めるテストドライバーなど豪華な布陣。本コースを存分に味わえるフリー走行のほか、駐車場に設けられた特設コースによるパイロンスラローム走行といったドライビングの基礎をしっかりと学べるレッスンなどが用意された。また、20回を記念した今回だけのコンテンツとして、全参加車によるパレードランも行われた。

 イベントは、まず座学からスタート。五味さんから雨の注意点や走らせ方、タイヤの使い方などをレクチャー。その感触を忘れないうちに、駐車場でのドライビングレッスン会場へ。

 ちなみに、今回の講師陣が乗るクルマは、レクサスFが誕生して10周年を記念した特別仕様車。GS Fが25台、RC Fが35台しか用意されないスペシャルモデルだけに、全開走行を見られるのは貴重な経験だ。

 特設コースでは、加速する、減速する、旋回するという運転の基本動作をみっちり学べるように設定。雨により路面も滑りやすいため、クルマの挙動を学ぶにはピッタリのコンディションだ。一番楽しんでいたのは、じつは講師陣!? 万が一スピンしてしまってもぶつかるようなことはないので、参加者全員が自分のペースで全開走行を楽しんでいた。

 また、同時に講師陣のドライビングを堪能できる同乗走行も。参加者のみならず、同伴者もFの走りを堪能していた。すぐに愛車で学んだことを試せるのも、この練習会のいいところ。カリキュラムの時間終了まで、参加者の列が途切れなかったが印象的だった。

 昼食を挟んで、午後は本コースへ移動。フリー走行の前に行われたのは、なんとスーパーGTなどに参戦する本物のGT3マシンによる同乗走行! じゃんけんで貴重な機会を勝ち取った参加者が、プロドライバーの運転する本物のレーシングカーの走りを体験。これは正直うらやましい! 残念ながら試乗できなかった参加者は、ピットでエンジンサウンドに聞き惚れていた。

 そして、今回の目玉のひとつである参加者全員参加によるパレードラン。コースには関係者のクルマも含めて100台のFが! 貴重な0号車と呼ばれる開発車両が先導となり、コースを隊列走行する姿は圧巻のひと言。

 その後、Fの開発現場でもある富士スピードウェイを存分に走れるフリー走行。この頃には雨脚も強まってしまったが、参加者の走りはとてもジェントルマン。自分のドライビングスキルを把握しているので、後方から速いクルマが来れば、すぐに譲ってまた自分のペースで走るというスマートさ。その証拠に、過去20回で参加者同士の接触はないそうだ。

 朝8:30にスタートして18:00までのタイムスケジュールだったが、そのほとんどが自らステアリングを握って走っていられる素晴らしいイベント。終了後に講師を努めた藤島知子さんや五味康隆さん、Fの生みの親である矢口幸彦さんにお話を伺った。

五味康隆さん
走行会とスクールの中間なので、いいバランスのイベントだと思います。富士スピードウェイ主催なので広い駐車場を利用でき、特設コースで存分に練習ができます。また運営側も試行錯誤し、参加者からの声も反映してイベントを充実させるためにブラッシュアップしていますが、コレ以上のイベントはないと思いますね!

藤島知子さん
今回、初めて講師として参加しました。サーキット初心者はどうやって楽しめばいいかわからないものですが、このイベントはきちんとレクチャーしてくれるのでいいですね。また、こういったドライビングレッスンは一日カリキュラムがぎっしりで慌ただしかったりしますが、このイベントは基本的に午前は特設コースで練習、午後からフリー走行というわかりやすいふたつのコンテンツのみなので、自分のペースでたくさん走れるのも素晴らしいですね。

矢口幸彦さん
参加していただいた方は、みんな喜んで楽しんで帰っていただけています。いわゆるドライビングレッスンとしてドライビングスキルだけを磨きに来るのではなく、同じFの仲間とワイワイやりながら、開発陣と交流を深めてもらっています。それが楽しくて来ていただいている方が多いですね。フリー走行も、タイムを狙って自己中心的な走りをする人はいません。それが初めての方でも安心して来れる要因なのかもしれません。こういう楽しいイベントを継続していきたいですね!

 丸一日取材していて、アットホームな雰囲気が印象的だった。同じピットになった参加者同士で交流しているも、ほかのイベントではあまりないのでは? ぜひ体験取材で参加してみたいと思いながら帰路につくほど、取材している側も充実した1日だった。


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