【試乗】ホンダ新型CR-Vは誰が乗っても満足できる徹底マルチSUV (1/2ページ)

1.5リッターターボ車には待望の7人乗りも用意

 約7年ぶりのフルモデルチェンジで、さらにでっかく、アメリカンなデザインになって帰ってきたホンダ新型CR-V。グローバルでは年間で70万台以上が売れている人気のミドルサイズSUVだけに、新型の開発課程では「守るべきもの・打破すべきもの・極めるべき強み・原点回帰」というキーワードが掲げられ、イギリスのカントリーロードやスペインの高地、ドイツのアウトバーンやオーストリアの山岳地など、徹底した走り込みを行ってきたのだとか。気合い入ってます!

ホンダCR-V

 そして大きなトピックとなるのが、まずガソリン仕様だけでなくハイブリッド仕様が登場したこと。ガソリンが190馬力/240N・mの1.5リッター直噴ターボエンジン、ハイブリッドは145馬力/175N・mの2リッターアトキンソンサイクルエンジンに、2モーターのSPORT HYBRID i-MMDを組み合わせ、25.8km/L(JC08モード)というクラストップの低燃費となっています。ホンダCR-V

 また、ガソリン仕様だけでなくハイブリッド仕様でもAWDが選べること、2列5人乗りに加えてガソリン仕様には3列7人乗りが設定されたことも、新型CR-Vの新たな強みと言えますね。ホンダCR-V

 まずは室内からチェックしてみると、とても感心したのが乗降性の良さ。一般的なセダンと比べると160mm高く、コンパクトSUVのヴェゼルと比べても60mm高いアイポイントを確保しながら、ヨイショと飛び乗るような感覚がない前席。チョイ乗りが多くて頻繁に乗り降りするような使い方でも、これなら疲れにくいと思います。ホンダCR-V

 そしてさらに良いのが後席。ドアがほぼ直角まで開き、ドア開口部も先代より100mm拡大されているので、頭や足がスムースに移動できるのです。また、ドアカットの位置やサイドシル形状の工夫で、洋服の裾が汚れにくくなっているという配慮にも感心。これならドレスアップした日でも安心だし、子どもやお年寄りも乗り降りしやすそうです。ホンダCR-V

 そして室内空間は、5人乗り仕様は後席が固定式。でも足もとはゆったりとしていて、視界も開放的で気持ちのいい空間です。7人乗り仕様は2列目シートに150mmのスライド機能がつき、3列目を使わない時は5人乗り仕様と同等の広さで座れます。3列目への乗り込みは、2列目シートのストラップを引いて背もたれをたたみ、座面ごと前に倒せばアクセスしやすいスペースが出現。2列目シートの下に足を入れる空間がないので、かなり体育座り的な姿勢にはなるものの、リクライニング機能があるので身長190cmの人でも座れるようになっているとのこと。ただ、やはり長距離よりは「ちょっとそこまで」の移動向けという印象でした。ホンダCR-V

 さて、改めて運転席に座ってみると、新型CR-Vは最先端のSUVなんだなぁと実感させてくれる演出がたくさん。たとえば、プレミアムSUVにはよくあるシートメモリー機能が、あらかじめ設定しておけばキーでロック解除しただけで自分のシート位置に自動調整完了。これなら乗り込む段階からスムースですよね。我が家のクルマは乗り込んでからスイッチを押すタイプなので、羨ましい限り。シートヒーターは座面だけでなく背もたれも温めてくれるタイプだし、そうしたきめ細かなおもてなしはさすがです。ホンダCR-V

 ボディサイズが全長4605mm、全幅1855mmと決して小さくはない新型CR-Vだけど、高いアイポイントのおかげで遠くまで見渡せ、ボンネットの両端が確認できるため車両感覚もつかみやすく、狭い道での取り回しはそれほど難儀する印象ではないですね。最小回転半径が5.5mmあるので、さすがにUターンでは気を遣ったけれど、慣れてくればストレスを感じるほどではなさそう。ホンダCR-V


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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