【試乗】新型デリカD:5は走り激変! フルモデルチェンジを名乗らないのが不思議なほどの進化を体感 (3/3ページ)

進化した4WD制御がもたらす極悪路をものともしない走破力

 次は極悪路にチャレンジしてみる。朝方まで雨が振っていた影響で泥濘路は極めて滑りやすい状況だ。装着タイヤはヨコハマタイヤのジオランダーでM+S表記がある。

デリカD:5

 ドライビングモードはFWD(前輪2輪駆動)、4WD、4WDロックの3モードをダイヤル調整で簡単に選択可能。

デリカD:5

 まずは4WDで発進してみる。平面では何の苦もなく発進し約25度の傾斜斜面でわざと一旦停止し再スタートを試みた。さすがにわずかにタイヤが空転するが、それでもトラクションコントロールの作動で苦もなく最スタートできる。

デリカD:5

 カーブ区間を抜けさらにきつい勾配の斜面でのモーグル形状路面でも一旦停止。対角の1輪が宙に浮く状態で極めてシビアなコンディションとなる。ここでは4WDロックを選択。強化されたブレーキLSDが空転車輪を制御し簡単に脱出させてくれる。こうした対角離地での走破性をスムースにこなせる制御にも力を注いだというだけあり高い実力を示していた。

デリカD:5

 こうした車体に大きな曲げや捻り応力が加わる難所でもボディの骨格がしっかりしていてミシリともいわない。足まわりやエンジンマウント、クロスメンバーなどからも異音が全くなく快適性は舗装路の時と同じ。もともと恐竜骨格構造といわれた高いボディ剛性を持つD:5の美点がそのまま引継がれているといえるのだ。

デリカD:5

 パリ・ダカを制した増岡 浩さんによれば45度の斜面を持つ三菱得意の体験キットでも新型D:5は苦もなく一番トップまで快適に昇ることが可能だという。

デリカD:5

 メーカーは控えめにマイナーチェンジと言っているが、その実、中味の進化はフルモデルテェンジといって差し支えないほどに高く、実際に走ったあとは外観もカッコよく見えるようになった。

デリカD:5

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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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